久々に行った書店で平積みされてて、なんとなく苦手そうな本と思い、あえて買ってみました。
だって、スマホ、大して活用できていない。
苦手領域を勝手に決めたり、妙なプライドがあった頃には手に取らなかったんじゃないかと思うタイトル。
「 スマホ人生戦略 お金・教養・フォロワー35の行動スキル」 (堀江貴文氏 著、2020年5月初版、学研プラス)
ホリエモンこと堀江さんの本は、先日の「東京改造計画」に続き、2冊目です。
大いに共感し、鋭い指摘にドキッとさせられ、ついて行ききれていなかった世の中の動きを教えてもらい、そして、とても励まされました。
スマホの有益な使い方という話を超えて、今の社会と未来(本書内の言葉を借りれば、「絶対的未来」ではなく「相対的未来」)について書かれています。
この本をオススメできるなと思うのは、これからの時代の生き方を考えたい個人、優秀な若い人材を確保したい組織の人事や経営者、コンシューマー向けビジネスをしている人・企業。
そして、「今どきの若者が考えていることを知りたい」というオジサマ・オバサマ達。
多作の著者なので、きっと、今まで書かれてきたことと重複はかなりあるんじゃないかなと想像します。
読んでいると、1つの記事には書ききれないほど、いろんな考えが湧いてきます。
本書の内容は多岐にわたるので、詳細は本で直接確認頂ければと思います。
以下は、堀江さんが言っていることそのままではなく、本書を読んで私に今湧いてくることです。
かつては限られた人に占有されていたものが、誰にでも開かれている時代になっている
かつて、自分が喋ったり、歌ったり、踊ったりする様子を電波に乗せて届けようと思えば、テレビに取材してもらうしかなかった。
個人で周波数を取るなんてできるはずはなく。
テレビはごく限られた人たちに仕切られた世界。
ラジオも同じ。
文芸作品やエッセイも、売りたければ、出版社を通すか、赤字覚悟の自費出版をするしかなかった。
それが今や、YouTubeで動画配信をして広告収入を得ることができるし、
Podcastで音声番組も作れてしまう。
ブログで自分の考えや意見を発信することはもちろん、noteなどではその作品を販売することだってできてしまう。
その昔から、モノは、質屋やフリーマーケットで売れたけど、目に見えないものや自分自身という存在についてはそうはいかなかった。
今は、個人がテレビ局やラジオ局のようになったり、目に見えないものをもネット上のフリーマーケットで売ったり、インターネット空間で世界中の人を相手に大道芸をしてチップを得ることができてしまうような感覚。
本書での使われ方とは意味がちょっと違うかもしれないけど、地球規模での「バザール空間」(p.27)にいる。
そんな時代。
かつては限られた人しか到達できなかった知識や技術が、誰でも使える時代になっている
少し前、インターネットが出現した時から、上記はやろうと思えば出来た。多分。
でも、それには知識や技術が必要で、それは一部のとても優秀な人に限られた。
それが今や、スマホ1台で出来てしまう。
むしろ、スマホが、私たちができないことをもやってくれる。
まるで「身体拡張」する手段を得たかのように。
大量の情報処理能力を備え、「人間」というスペックでは出来なかったことをできるようにする。つまり、「後天的に得た身体の一部」という考え方で取り扱うことが、スマホの本来の用途なのだ。(p.61)
パソコンすら、いらない。
パソコンは、もう長いこと開いていない。
パソコンを開かないといけないようなタスクは、普段から意識的に減らしているので、もう使うことはないだろう。(p.38)
こうした時代の変化は、ビジネスだけに訪れているものではない。クリエイターたちの世界でも、同じようにパソコン離れが始まっている。(p.36)
この機会を使うか使わないかは、自分次第
今スマホを持っている人たちには、上記の機会は平等に与えられていると言えると思います。
スマホの保有率が、若い世代では9割という今は、ある意味、かつてないほどに平等な時代が来たと言えるのかもしれない。
「スマホ依存が問題だ」という時、それは、ネットサーフィンや動画視聴に延々と時間を使ったり、ゲーム課金で散財しすぎたり、SNSにハマりすぎて精神的に疲れたり、ということを指しているのだと思います。
とても、消費者的思考。
一方で、これを創り出す側の思考から見れば、瞬時に世界とつながり、発信し、事業をするためのすごいツール。
スマホを手に、消費者になるのか、創り出す側になるのか、それによって、使い方も全然変わってくると思います。
スマホは「行動する人間」に与えられた武器なのである。(p.25)
時代の流れとインターネットの仕組みさえつかんでいれば、スマホ1台で稼ぎまくって、億万長者にだってなれる時代なのだ。(p.25)
やっぱり入り口は、ワクワクすること
スマホを使い倒すといったって、何を実行するために?
創り出すといって、何を、どうやって?
その鍵はやっぱり、好きなこと。ワクワクすること。追いかけたくなるもの。
「好きなことをしていていいよと言われたら、ずっと寝て終わってしまうよ」とおっしゃる方が時々いますが、それは随分と自分を軽く見ているんじゃないかな、と。
3日も寝ていたら、大抵の人は飽きてしまう。何かを始めたくなる。社会と繋がりたくなる。
コロナ禍の自粛生活でそれを感じた人も多いのでは。
人は、もともと何かを創り出したい存在、だと思います。
それは、モノや料理みたいに目に見える何かかもしれないし、アイディアや愛といった目に見えないものかもしれない。
もし何も湧いてこないのなら、少し散歩に出かけてみるのが良いのかもしれません。
机に向かって背中を丸め、黙々とパソコンに向かっていれば価値を生み出せる時代は終わった。
とにかく外へ出よう。好奇心の動かされるままに行動して、経験を積み重ねることで、「自分だけの価値」を発信していこう。(p.37)
寺山修司の「書を捨てよ、町へ出よう」ならぬ、
暇つぶしを捨てよ、スマホと共に街へ出よう」(p.133)
好きなことに突っ走る。全てはその目的のために
さて自分を振り返って見てみれば。。。
ラジオ大好き。ポッドキャストやってます。
チャットやzoomより、電話で話した方が早くて効果的な場合もあると思う。
スマホの画面は小さすぎてつらい。
やっぱりキーボードで打つのが楽。
本は要約サイトじゃなくて、やっぱり通読したい。しかも紙の本がいい。
これ、どれも、本書では、決してオススメされない、あるいはNGなことになります。
そこだけ取ると、ああ、私って時代についてけないダメな人間・・・となってしまうのですが、私は、ここは、かなり都合よく解釈しました。
著者が言いたいのはそういうことじゃないだろう、と。
だって、本書のメッセージは、好きなことをやれ、なのだから。
客観的にみれば、僕はいろんな才能を持っていたのかもしれない。でも僕自身は特に「できる人間」だという自覚はない。好きなことに没頭していただけだ。(p.98)
素人革命を成し遂げたのは、自ら躊躇せずに動き出した人たちだ。(中略)
やりたいように動き出し、遊びだったものをビジネスに変えていく個人のセンスが、突き抜ける結果を生み出すのだ。(p.220)
そういう堀江さんは今どういう生活かというと、
僕は基本的にスマホを肌身離さずに生活している。(中略)
正直な気持ちとしては、24時間スマホを触っていたい。睡眠中もスマホと自動的に同期できるような装置が開発されないかと、なかば本気で思っている。
スマホ中毒と呼ぶ人もいるが、気にしない。それぐらいの密度で使っていないことには、スマホを「ツール」として使い切っていないと思うからだ。(p.62)
確かに、これはスマホ中毒気味。でもそんなこと言われても気にしない。
だって、スマホが好きだから。
スマホを使って世界と繋がってアイディアを広げて、新しいことをしていくことが大好きだから。ワクワクするから。
周りから何と言われても、これくらい突っ走れ、ということではないか、と。
どんなチャレンジも、外野の人間はあれこれ言うものだ。皮肉や冷笑。そして失敗した時には、それ見たことかと指をさす。
うるせーな!という気持ちだ。僕は好奇心が動けば、何だってやりたいことをやる。嫌みや批判は、いちおう耳には入れるけど、完全無視する。
他人の言葉に動揺せず、目的へ突き進むことで新しいものが得られる。年齢や境遇など、関係ない!(p.213)
大事なのは、やりたいこと、思いのあることを、今すぐ始めること。
そのとき、スマホは素晴らしいツールになる。
決して、スマホを使えるようになってから動き出す、コスパよく学び終えてから動き出す、の順番ではなくて。
この他、分断や情報リテラシーの話のところなどは、深く共感しました。お隣の人と、スマホの奥に見ている景色が違うということに、とても気をつけていたい。
他方、あまりのエネルギーに、のんびりペースの私には息が切れてくると感じる時もあったり、また賛同しかねる部分もありました。
何れにせよ、読書はやっぱり、共感だけだとちょっと物足りない。発見や刺激、モヤモヤが生まれてこそ読書は面白いのかも。
そのほか、感じたことは、また「ここみちノート」の方で、触れていきたいと思います。
おまけ:妙に刺さった言葉
もはや、会社の会議室や行きつけのカフェで、ノートパソコンを片手にウロウロする時代は終わったのである。(p.36)
世の中のビジネスパーソンには、「引き受けた仕事は絶対に自分だけでやりきる!」とかたくなに主張する人があまりにも多い。助けを求めるのは恥ずかしいと言うのも理由の一つだろう。だが、最大の理由は「手柄をひとり占めしたい」ということなのではないだろうか?
ビジネスパーソンが仕事でもっとも価値を感じる報酬とは、昇給やボーナスではなく、目に見えない「手柄」だ。(p.128)
いまの時代、何でもできる!というアピールは周囲に響かない。できる人は、上位レベルにいくらでもいる。
能力をアピールするより、できない自分をさらけ出して「助けて」と平気でいる人の方が好感を持たれるし、助けてくれる人も集まりやすい。(p.207)
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