正直に言って、ハウツー本はあまり好きではありません。
また、このブログを訪問してくださる方々ならば既にお気づきのとおり、(もともと左脳系である反動なのか)最近は感情、直感など、スキルとは対極にあるようなものを重視する傾向にあります。
ですが、、、日頃はミッドキャリアとして新人や若手を育てていく立場にある身として、最近、コーチング(Coaching)だけではなくて、やっぱりティーチング(Teaching)もしなくちゃ伸びていかない、スキルも大事だ、と感じることがよくあります。
モモやパパラギ的なものも忘れてほしくないけど、やっぱりスキルが大事な局面もある、、、と認めざるを得ない。
そんな時に、図書館をふらふら歩いておりましたらこの本に出会いました。「図解 99% の人がしていないたった 1% の仕事のコツ」(河野英太郎氏著)
見開き2ページで、以下、計43個のコツについて1つずつ説明しています。
- 報連相(ホウレンソウ)のコツ × 6
- 会議のコツ × 6
- メールのコツ × 5
- 文書作成のコツ × 6
- コミュニケーションのコツ × 4
- 時間のコツ × 3
- チームワークのコツ × 7
- 目標達成のコツ × 6
一定程度社会人経験のある方であれば、「そんなのあったりまえじゃない!」と言いたくなるもの多数。わかっちゃいるけどなかなかできないよね、というものも含めて、特別に目新しいものはないと思います。30分で読めます。
ただ、それを当たり前のように新人や若手に期待していると、そういう風には行動しない彼らに「???」とか「あ゛ーーーー!!!」と思ったりすることがあります。
ある意味当たり前です。私たちも、先輩に怒られたり、いろんな失敗をしながら、体で学んできた知恵なのですから。
体得してきたスキルを後輩にも是非伝えたいと思うものの、私自身、「自分のやり方は我流なのかもしれない。もはや古いかもしれない。周りは(言わないだけで)実は皆迷惑がっているかもしれない。なのに自分が良いと思う方法を後輩に教えてしまっていいものか。」などという迷いが生じることが多々あります。
そういう中で、この本は、「ですよねー!」と頷き通し。これでいいんだ、と背中を押してもらえた気がします。
一番深く頷いたのはこれ。
優先順位は、対面→電話→メール(22-23頁)
対面や電話が、面倒なのか、苦手なのかは人によって違いそうですが、最近は、物理的にとても近い距離にいてもメールでやりとりすることが増えているように感じています。
私がよくプツッと切れてしまいそうになるのが、こういうやりとり。
trottolina:A部署にお願いしていた件、もう期限だよね。どうなってる?
後輩:メールしているんですが、返事がなくて。
trottolina:電話してみた?
後輩:いえ、してません。
trottolina:*△◇〓#∟ ( *`ω´ * )!!!
「隣の部署なんだから直接行って聞いてきなさい!」と吠えること幾たび。
メールを書く手間、メールを読み解く手間、それであっても伝わらない行間。伝わっていないことを説明しようとするメール。
ちょっと行って話してくる、ちょっと電話する、ならば数分で終わることなのに。しかも誤解も生じないのに。
もちろん、詳細はメールに書いた方が意思疎通が早いという場合も沢山あります。また、一度に複数の人に情報共有することが必要なこともあります。相手が忙しくて会う時間を取ることの方がかえって迷惑という場合もあります。やりとりを記録に残すべきものもあります。
こういう時にはもちろんメールです 。
それであっても、相談事やお願い事を頼む当事者に対しては、事前の頭出しやフォローは、対面か電話で説明をしておく方が遥かにスムーズで、メールに書くべき内容も減ります。
そして、自分の経験上、頼みにくいこと、相手に向かって言いにくいことほど、逆説的ですが、口頭の方がよいと感じます。
メールだけを送信しておいて何か遅延や問題が発生したときに「メール送ってありますけど」という反応をするのは、もはや相手の爆弾に火をつける行為になると思います。
基本は社会人経験が浅い方に良い本だと思いますが、私自身の自戒と備忘も兼ね、社会人経験がある人にも役立ちそうと思われるコツをいくつか挙げておきたいと思います。
「とりあえず」ではなく「まず」と言ってみる(20-21頁)
名前を覚える(66-67頁)
チーム発展ステップ「4つのH」を理解する(88-89頁)
Honeymoon:何をやっても楽しい。異なること=発見の連続。「この人は何てすばらしいんだ!」
→Hostility:だんだんアラ(異なることの別の側面)が見えてくる。「むかつく!」
→Humor:異なることをすべてひっくるめて笑に変えられる。「もう、しょうがないなあ」
→Home:お互い歩み寄り、それが普通になり、自分のものになる。「あれをアレしといて」
ポジティブフィードバックには理由を添える(90-91頁)
「あいつ使えない」は敗北宣言と考える(92-93頁)
愚痴と意見を使い分ける(94-95頁)
ルールを疑う(102-103頁)
体調の維持をする(110-111頁)
大げさなタイトルだなと思いましたが、この43のコツ「全て」をやっている人は確かに1%かもしれません。私は、幾つかの項目は(やったほうがいいなと思いつつも)できていないので当然に99%に入ってしまいます。
「まずは」自分でこれを実践し、手取り足取り口うるさくいう前に、新人にこの本の存在を伝えてみるところから始めてみようかと思います。
図解版の前に普通の本も出ていたようです。

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