ハリー・ポッター シリーズ第6巻。
「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(J.K.ローリング 著、松岡祐子 訳、静山社、2006年5月初版)
読後感は、ただもう、「えーーーーー?!?!?!?!」
そんな・・・・!
次が気になって仕方がない。
読書録を書く時間も惜しくて、最終巻に進みました。
長編の構成として最高のしつらえに見事にはめられました。
ということで、この読書録は全7巻を読み終えてから書いてます。
第5巻はだいぶ重苦しくて読むのがつらかったですが、本巻はいろんな展開があって、ページがどんどん進みました。
ヴォルデモートがどう誕生したか、人はなぜ死喰い人(デスイーター)になるのか。
本当の愛ってなんだ。
コーチングを学んで知ったことは、「私たちは、誰でもが、自分それぞれの物語を生きている」ということ。
それはつまり、何を信じて生きるかということ。
同じものや事象を見ても、それをどう捉えるかは人によって異なる。
そして、その人の世界は、その人が信じたようになっていく。
愛を信じるなら、愛が私たちを守ってくれる。
仮に信じるに足る情報や証拠がなかったとしても。
目に見えない愛は、もしかしたら、一番信じるのが難しいものなのかもしれない。
ダンブルドアという人の存在が、不確かな中でも、そこにずっと光を灯し続けてくれているのを感じます。
以下は、備忘として、心にのこる言葉たち。
「ダンブルドアがおっしゃったわ。他人の正しさを許すより、間違いを許すほうがずっとたやすい」(第5章、ハーマイオニー)
ハリーはこの考えにしがみついていた。そうすればスネイプを責めることができるし、責めることで満足できたからだ。(第8章)
「『魅惑万能薬』はもちろん、実際に愛を創り出すわけではない。愛を創ったり模倣したりすることは不可能だ。それはできない。この薬は単に強烈な執着心、または強迫観念を引き起こす。この教室にある魔法薬の中では、おそらく一番危険で強力な薬だろう」(第9章、ホラス・スラグホーン)
「わしとてほかの者と同じように過ちを犯すことがある。事実、わしは大多数の者よりーー不遜な言い方じゃがーーかなり賢いので、過ちもまた、より大きいものになりがちじゃ」(第10章、ダンブルドア)
「もう魔女でいることを望まなかったのじゃろう。もちろん、報われない恋と、それに伴う絶望とで、魔力が枯れてしまったことも考えられる。ありうることじゃ。いずれにせよ、(中略)メローピーは、自分の命を救うために杖を上げることさえ、拒んだのじゃ」(第13章、ダンブルドア、メローピーについて)
「ホグワーツでは(中略)魔法を使うことを教えるだけではなく、それを制御することも教える。(中略)魔法力に溺れてしまう者は、きみが初めてでもないし最後でもない。しかし覚えておきなさい。(中略)新たに魔法使いとなる者は、魔法界に入るにあたって、我らの法律に従うことを受け入れねばならない」(第13章、ダンブルドア、リドルに対して)
「事実、蛇と話せるというあの者の能力を、わしはそれほど懸念してはおらなかった。むしろ、残酷さ、秘密主義、支配欲という、あの者の明白な本能の方がずっと心配じゃった」(第13章、ダンブルドア、リドルについて)
「自分とほかの者を結びつけるものに対して、リドルは軽蔑を示した。自分を凡庸にするものに対してじゃ。」(第13章、ダンブルドア、リドルについて)
「君はあくまでもセブルスを憎みたいんだね、ハリー」(第16章、ルーピン)
「こういうことはよくあるものじゃ。仲のよい友人の間でさえ!両者ともに、相手の言い分より自分の言うべきことの方が、ずっと重要だという思い込みじゃ!」(第17章、ダンブルドア)
「あいつがワールドカップ級だったとしても、僕はあいつを残すつもりはない。選手全員にどうしろこうしろと指図するし、どのポジションも自分のほうが上手いと思ってるんだ」(第19章、ハリー、マクラーゲンについて)
「偉大さは妬みを招き、妬みは恨みを、恨みは嘘を招く。ダンブルドア、このことは当然ご存知でしょう」(第20章、ヴォルデモート)
「しかし、ダンブルドア、わたくしが見てきた世の中では、わたくし流の魔法より愛のほうがはるかに強いものだという、あなたの有名な見解を支持する者は皆無だった」(第20章、ヴォルデモート)
やがて無限大の可能性が広がるようなうきうきした気分が、ゆっくりと、しかし確実に体中に染み渡った。何んでもできそうな気がした。どんなことだって….
(中略)
スラグホーンがしかめっ面をするのを見てうれしくなった。(第22章、ハリー、フェリックス・エリシスを飲んで)
「すべての暴君たる者がそうであるように、ヴォルデモート自身が、最大の敵を創り出したのじゃ!暴君たる者が、自ら虐げている民をどんなに恐れているか、わかるかね?暴君は、多くの虐げられた者の中から、ある日必ず誰かが立ち上がり、反撃することを認識しておるのじゃ。(中略)誰かが自分に歯向かうのを、常に警戒しておる」(第23章、ダンブルドア)
「つまり、きみは、愛する力によって護られておるのじゃ!(中略)ヴォルデモートが持つ類の力の誘惑に抗する唯一の護りじゃ!あらゆる誘惑に耐えなければならなかったにもかかわらず、あらゆる苦しみにもかかわらず、きみの心は純粋なままじゃ。」(第23章、ダンブルドア)
「よいか。予言はきみが何かをしなければならないという意味ではない!(中略)つまり、きみがどういう道を選ぼうと自由じゃ。予言に背を向けるのも自由なのじゃ!」
(中略)
ハリーはやっと、ダンブルドアが自分に言わんとしていたことがわかった。死に直面する戦いの場に引き摺り込まれるか、頭を高く上げてその場に歩み入るかの違いなのだ、とハリーは思った。(23章)
「我々が、死や暗闇に対して恐れを抱くのは、それらを知らぬからじゃ。」(第26章、ダンブルドア)
「いや、わしのほうが年寄りで、より賢く、ずっと価値がない」(第26章、ダンブルドア)
「いま大切なのはきみの情けではなく、わしの情けなのじゃ」(第27章、ダンブルドア、ドラコに対して)
ハリー自身が同じような思い込みをしていたことを、ハーマイオニーがいま、期せずして思い出させてくれた.......走り書きの呪文がだんだん悪意のこもったものになってきていたのに、ハリーは、あんなに自分を助けてくれた、あれほど賢い男の子が悪人のはずはないと、頑なにそう考えていた。(第30章)
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