「ここみち書店」が入居している神保町の共同書店 PASSAGEのプロデューサーであり、仏文学者の鹿島茂さんは、フランスの古書・稀書収集家としても知られています。
コレクター(collector)とキュレーター(curator)を合体させて「コレキュレーター(collecurator)」とご自身を名乗るそのコレクションは、本当に圧巻。
8回目、かつ過去最大規模の展示が、現在、群馬県立館林美術館で開催中です。
「鹿島茂コレクション フランスのモダングラフィック展 - 20世紀初頭の風刺画からアール・デコ挿絵本、1930年代グラフィック雑誌まで」(2025年4月26日(土) ~ 2025年6月29日(日))
そして、その図録がこちら。
「フランスのモダン・グラフィック 鹿島茂コレクション」(鹿島茂・松下和美(群馬県立館林美術館)著、平凡社、2025年5月初版)
鹿島先生のトークイベントがある日に、PASSAGEの棚主仲間の皆さんと一緒に行ってきました。
20世紀前半のフランスの風刺雑誌からファッション・プレート、デパート資料、アール・デコ挿絵本、グラフィック雑誌まで。
雑誌はその時代を最も色濃く見せてくれるもの。
第一次対戦中やその後の豊かな時代などを、当時の雑誌を通じて感じることができます。
トークイベントで印象的だったのは、収集家になったきっかけ。
フランスで学ばれていた頃、図書館の本を大変な思いをして手書きで書き写していたら、それが古書店にも売っているのを発見し、「なら買っちゃえばいいじゃん!」と。
共同書店のPASSAGEを始められた時のキーフレーズ「なら本屋になっちゃえばいいじゃん!」は、ここから始まっていたのか....と笑いました。
当時の月給以上の金額をはたいて古書を買い、その後借金をしてもなお収集し続けるのは、もはや個人の趣味を超えて、何か、Calling(天職)というべき大きな力に導かれてのことなんだろうなぁと思います。
また、「雑誌は、全巻揃えないと意味がない」というお話も、さらに、コレクターとしては雑誌は破れないので「展示しようと思うと(ページを解く・裁断するために)もう1冊同じものが必要になる」というお話も、素人には想像もつかない発想で、会場からも笑いがこぼれました。
トークイベントで解説してくださったことはもちろん、それ以上にたくさんの情報がこの図録にはぎゅっと詰まっています。
PASSAGEでも、鹿島さんサイン入りの状態で販売しています。
入手して眺めてから、美術館に行くのもとても良い順序と思います。
なお、この展示に関するトークイベントは、近々、もう一つあります。
本展示を担当された館林美術館のキュレーター松下和美さんと、鹿島さんによる対談。
PASSAGE SOLIDAでのリアル参加、オンライン参加、どちらもできます。
コレクションを見に行ってみようと思われるなら、聴いてからいくとより一層楽しめると思いますので、ご参加をおすすめします。
群馬県立館林美術館は、ずっと気になっていたのですが、今回初めて行きました。
期待を裏切らない素敵なところ。
ここで1日中ぼーっとしていたいと思いました。
お気に入りの場所がまたひとつ増えて嬉しいです。
この記事は、こんな人が書いています。
お気に召す記事がありましたら、ぜひシェア頂ければ嬉しいです。また、もしこのブログを読んで、ここで紹介されている本を購入しようと思われた際は、ここみち書店(神保町PASSAGEbis!内)もしくは、このブログ内のamazonへのリンクを経由して購入頂けると幸いです。私にとって皆様が本に出会うことのお役に立ったことを知る機会となり、励みになります。
関連記事:
2022年に聴きに行った荒俣宏さん x 鹿島茂さんの対談「「天使はほほえみ、悪魔はささやく/終わりのない古書探しの旅 II」でお二人がおっしゃっていたことなど、こちら↓の記事に書いています。
