ここみち読書録

プロコーチ・けいこの、心の向くまま・導かれるまま出会った本の読書録。

コシノジュンコ 56の大丈夫

生き方・在り方が大好きなデザイナー、コシノジュンコさんの著書。

コシノジュンコ 56の大丈夫: 失敗も逆境も力に変える、パワフルウーマン語録」(コシノジュンコ 著、2021年2月初版、世界文化社)

 

コシノジュンコ 56の大丈夫: 失敗も逆境も力に変える、パワフルウーマン語録

 

コロナ禍真っ最中に書かれた本。

コシノジュンコさんの信念、人生訓が全開。

先行き不透明な中、人が内向きになってしまいがちな時に拠り所的になることを意図して書かれた本だと思います。

もちろん、平時に読んでも刺さる言葉が盛りだくさん。

 

私にとっては、この本の価値は、語録以上に、豊富な写真の数々でした。

19歳で装苑賞を受賞した1960年。そこから大胆に活動を展開し、サイケの女王と呼ばれ、海外に進出していく1970年代。この20年間くらいの写真が、素晴らしくかっこいい。

一緒に写っている方々も、錚々たる面々で、こういう人たちがつながって時代をつくってきたのだなぁというのが感じられます。

 

以下は、私自身のための備忘録。

最終章(第7章 デザインの力)からの抜粋が多めです。

 

大丈夫。策は無限にある(p.40)

 

「初めて」に躊躇しない

初めてっていうことに躊躇しないのが、いちばん大切ですね。
初めて挑戦することには、怖じ気づきますよね?
こんなことしていいのかなとか、これみんなどう思うかなとか、
人のことばっかり気にしますよね?
だけど、そういう迷いはすごく邪魔ですね。
無鉄砲でいいんですよ。
(中略)
躊躇しない、怖じ気づかない、気にしない、がいいですね。(p.44-45)

 

遊び心の中から仕事が始まる

(中略)
私は、遊びの精神から仕事が生まれると思っています。
遊びってムダのようだけど、ムダじゃないんです。
楽しいから行く。そこで出会う、発見する、繋がる、思いつく。
そもそも遊びには、いろんな要素や可能性があると思うんです。
そして私が提案したいのは、すごく高度な遊び。
真面目一辺倒ではない、余裕と発展性のある遊び。
1+1=2で正解、はい終わり。ではなくて、
「さっぱりわかんないわ」って、そういう感覚も大事だと思う。
全部計算できて先がわかってしまったら、
おもしろくないじゃないですか。(p.154-156)

 

自分の個性は憧れから探す

若いときは、私も自分のことがわかりませんでした。
いつの時代も若い人たちは、「自分らしさ」を求めつつ
なかなか確立できずにいるような気がします。
自分らしさを追求するには
まず自分が何に憧れているのかを知ってほしいですね。
惹かれるもの、美しい、好ましいと感じるもの、
何度見ても飽きないもの、心躍る映画や人。
そこには自分と直結する何かが必ず潜んでいるものです。
美術やファッション、建築などでもいいのですが、
ずっと追い求めていくと自分の嗜好に気づきます。
憧れを持って生きていると、アンテナが鋭敏になり、
出会った人やものにハッとする瞬間があります。
あなたの個性が共感する場所ですね。(p.162-163)

 

センスという意味

センスというのは、実はすべてに通ずるものなんです。
ファッションやインテリアに限らないんですね。
作るセンス、売るセンス、買うセンス、世の中を見るセンス、
時代を読むセンス、タイミングを読むセンス......。
あらゆる場面で必要なものなんです。
実行すること、そのための状況判断ができること、
それも非常に重要なセンスです。
知識と経験により育まれるセンスが状況判断に繋がります。
どんなことがあっても瞬間的に状況を把握し、
反応し、そのときすべきことを的確に判断・実行する、
そのセンスがないと、突然起こる出来事に対応できず、
うろたえてしまうんですね。
(中略)
常日頃からあらゆるセンスを磨くということは、
自分や大切な人たちを守り生き抜いてゆくために欠かせない
非常に重要なことだと思います。
センスこそ、人生を豊かにすることができる大きな要素です。(p.166-168)

 

服は人生を変える

特に男の人ね。
この一着があれば人生やっていかれるというような。
まとった瞬間から人生にプラスの影響を与えるような、
そんな一着が必要です。
その人の生き方が決まる、自信につながる、
一張羅というのかしら、いわゆる勝負服です。
女性は服にバリエーションが必要ですが、
男性は何着もいらないけれど、勝負服が必要。本気の一着ね。
それがどれだけテコになるか......!
この一着で人生が決まりますよ、って私いつも言うんです。
なんというか、自信がつくんですね。
芸術や研究などに没頭してきた、「ファッションなんて......」って
言っていた人ほど、本気の一着に出会うと変わるんです。(後略, p.188-189)

 

ファッションは自分への投資

ファッションって、自分の未来を買うこと、イメージを買うこと。
いわば、未来への投資。未来は見えないけれど、
未来につながるような楽しみを内包しているのがファッション。
それは、生きていくことに役立つもの。
生活のすべてに影響を与えますね。(後略, p.194-195)

 

大丈夫。一歩引いてみよう、全体が見える (p.206)

 

着心地は居心地(p.210)

 

着替えることは、気持ちの切り替え

洋服を着替えることで、
気持ちも切り替えることができるんです。
(中略)
私は普段から一日数回は着替えるんです。
朝・昼・晩で性格の異なる服を。(中略)
それも、ただ着替えるだけではなくて、シャワーからです。
まっさらな気持ちで、気持ちも服も着替えます。
服というのはものすごく人の気持ちや
行動を左右します。きものと洋服、ジャケットとTシャツ。
着るものでパンと気持ちも切り替えられるんです。
理想は一日の中でシーンや気分の切り替えに合わせて
何回か着替えることですが、それが無理なら、
羽織るものやストールをプラスすることで、
コーディネートにずいぶん変化をつけられるので、
それだけで気持ちにメリハリが出て、充実した一日になりますよ。(p.212-215)

 

美しいものは 人をポジティブにする

精神的豊かさは、目からも入ってくると思います。
美しいもの、美しい景色を見ると、ポジティブになれるんです。
見るだけで、豊かな気持ちが生まれ、人間を高める。
人生を有意義にする。
マイナーなものにひきずられるより、
気持ちのよいものを見ることのほうが重要だと思います。
そのためには、美しいものに敏感になる必要がありますね。
私は、暗い事件とかマイナーな情報には
わざと鈍感になるようにしています。
美しいものに興味があったほうが幸せだし、
優雅に生きていかれるし、成功すると思うから。(p.220-221)

 

ぜひ、ご自分のための一言は、ご自分で見つけてください。

 

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2019年8月の、私の履歴書(日本経済新聞)はとても読み応えがありました。

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