ここみち読書録

プロコーチ・けいこの、心の向くまま・導かれるまま出会った本の読書録。

今日も嫁を口説こうか

最近、読書のタガが外れ気味。

面白そうかもと思うと、つい手を出してしまう。

コロナ禍で遊ぶ機会が減っているせいかもしれません。

お笑い芸人・アルコ&ピースの平子さんの本。

話が面白いから、きっと本も面白いんじゃないかと。タイトルからして既に。

今日も嫁を口説こうか」(平子祐希 氏 著、2020年12月初版、扶桑社) 

 

今日も嫁を口説こうか (扶桑社BOOKS)

 

アルコ&ピースの喋りを少しでも聞いたことがある人であれば、平子さんの愛妻家っぷりを聞いたことがあるはず。

それが、丸ごと1冊。

本の半分弱はお二人の馴れ初め、結婚に至るまで。

平子節トークが暑苦しいと感じていらっしゃれば、本書ではゲップが出ちゃうかも😅

特に、半裸の写真は必要なのだろうか・・・。モノクロでほっとする・・・😆

 

これだけ愛されたら、真由美さん(奥様)は幸せだよなぁ、羨ましいなぁと思いつつ、

それだけ愛してくれる旦那さんになってるのは、奥さんのあり方や言動によるところが大きいんだよなぁとわかるから、我が身を省みて、ただただ頭が下がります。

人間関係は双方向の働きだから、どちらか片方だけの貢献だけで何かが成り立ってるってことはあり得ない。

同じように、望まないことが起きているときに、どちらか片方だけのせいっていうこともあり得ない。

 

私の周りは、仲良いご夫婦が多い印象。

それが双方、2度目(ときには3度目)という方もけっこういらっしゃる。今が幸せなら、そこはなんでもいい。

初婚で仲が良いなら、それはまた素晴らしい話。

最近はもう、結婚は墓場だとか言う方も少ないと思いますが(昭和な感じに聞こえる)、夫婦っていいもんだよっていうことが伝わっていくと、自然に誰かと一緒に過ごしたいなという人は増えていくんじゃないでしょうか。

既に最近の世の中はそういう方向になってるように感じますし、この本はその流れに一役買うかと。

いいよねえ、夫婦。羨ましいわ。と既にここに約1名思っておりますので、平子さんの狙い通りかと。

 

 

このお二人は本当に幸せだろうなぁと思うのはこんなところ:

 

僕が嫌いな言葉がある。

”愚妻”だ。

謙遜を美徳とする日本の文化そのものは美しい。しかし家族を必要以上に卑下する価値観は僕らの世代で蓋をすべきだ。

(中略)

今でも僕は真由美を「美人妻」と公言している。他人からの反応はどうでもいい。僕にとって美しい妻なのだから、それは間違いなく美人妻なのだ。

(中略)

どれほど素敵なプロポーションでも「もうババアだ」と言われれば背筋が曲がる。

どれほど顔が整っていても「ブスだ」と言われれば視線は落ちる。

どれほど明るくても「女として見られない」と言われれば笑顔が消える。

それらの言葉がたとえ身内の謙遜であったとしても、だ。女性の”美”に関する敏感なレーダーは、良くも悪くもあらゆる言葉を拾い上げてしまう。

(中略)胸を張って言い続ければいい、「うちの妻は誰よりも綺麗だ」と。(p.95-97)

 

「ただ抱き合って頭を撫でるうち、あまりの心地よさに二人で寝入ってしまった」

 これでも立派なセックスだ。

「指を絡め合い、お互いがいかに大切な存在であるかを伝え合った」

 こんなもんめちゃくちゃセックスだ。

「足を絡めあいながら、おでこにキスをし合った」

 セックスすぎて気が遠くなる。(p.151)

 

最近では「普通の軽く触れ合うキスがいちばん官能的なのではないか」という境地にたどり着いてしまった。(p.158)

 

 真由美も40歳となり、体の衰えを嘆くボヤキをよく口にしている。だけど違う、そうじゃない。目元や口元に走るシワは、一緒にどれだけ笑い合ったかの証し。髪に混じる白いものは長年僕を思い、案じた証し。かわいい下腹の膨らみは、記念日ごとに奮発して食べた焼き肉やケーキの名残。

 全ては共に生きてきた証しの数々。どれもが愛すべき夫婦の足跡であり、衰えなどであろうはずがない。(p.178-179)

 

共感したのは、この一文。

愛に終わりはないが、愛を示せる機会には制限がある。(p.158)

 

こちらは覚えておきたい。 

 まず「良き夫」と「良き妻」とは何か?と考えたとき、結局のところ「妻にとっていろいろと都合のいい夫」であり「夫にとって望んだ通りの動きをしてくれる妻」なのだ。

 ”懸命に働き、収入は多く、家事や育児を手伝い、休日は家族サービスを欠かさず、適度な距離感で自分を愛してくれており、贅沢を言えば爽やかイケメン” これが良き夫の理想形だろう。

 ”炊事洗濯がうまく、いつも気が利いて、外でも内でも男を立ててくれ、慎ましく、穏やかで、多少の火遊びは理解してくれて、贅沢を言えば細身なのにグラマラス” これが良き妻の理想形だと思う。

 どちらも、いない。いないのだ。いるわけがない。

(中略)

 良き夫・良き妻であろうとすることに疲れ果て、夫婦という関係性に嫌気がさしてしまう。共に生活していくうちに、恋愛中は愛しく感じていたはずの部分が、許せぬアラに見えてくる。そうして徐々に「アイツがあんなに雑なのに、自分ばかりが良き夫(妻)である必要はない」と互いが開き直り、グズグズな夫婦になってしまう。

 ここが僕たち夫婦と、悩める夫婦との決定的な違いだ。ここで(中略)”恋愛感情”が正当な理屈を帯びて登場する。(中略)恋愛感情こそが、あらゆる全ての問題をまるっと解決してくれる。(p.110-112)

 

夫婦の形は本当に一つとして同じものがなく。

悪態ついている夫婦も、その二人にしかわからない愛情がそこにあることもよくある話で。

でも夫や彼氏に口説かれて嬉しくない女性はいないだろうとも思うわけで。

最近、奥さんを口説いてないなぁと思われた方、結婚は墓場なのかと心配して結婚に踏み切れない方は、この本からヒントを得られるかもしれません。

 

最後、これも、うまかった。

哲学者ソクラテスは言った。

「ぜひ結婚しなさい。よい妻を持てば幸せになれる。悪い妻を持てば私のように哲学者になれる」

 

ならば僕はこう返そう。

 

私は良い妻を持ち、愛の哲学者となった。

 

 

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