ビジョン心理学を学んだ友人から教えてもらった本です。
まだ全部読み切っていませんが、いい本です。
「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士著、大空夢湧子氏訳。原題:If it hurts, it isn't love, Dr. Chuck Spezzano)
強いて言うなら、装丁がもうちょっと私好みであれば嬉しかったな・・・と思います。
著者のチャック・スペザーノ博士は、ビジョン心理学の創始者です。この心理学については学んだ経験はないので、詳しいことは日本の代表窓口のHP(幸せな人間関係のための心理学|ビジョン心理学ジャパン)を見て頂ければと思いますが、特にこの心理学について予備知識なくても、興味がなかったとしても、この本はどんな人にも役に立つ本だと思います。
構成は、1日につき1つずつ「癒しをもたらす原則」が書かれています。全部で366日分あります。
このひとつひとつの「原則」は博士自身が「セラピストとして20年以上、また結婚カウンセラーとして11年以上やってきたなかで、実際に効果があったことを土台にしています」(2頁)。原則についての説明の後、簡単なワークがついています。
結婚カウンセラーでもあった博士の本ですので、確かに人間関係、特に最も親しい人との人間関係において効果があるとは思いますが、そこに限らず、人生の多くの場面で役立つ内容です。
この本の使い方はいろいろあると思いますが、私は、お風呂に入るときに1日分ずつ原則を読み、その後に続くワークについてお湯の中でぶくぶく考える・イメージする、というような使い方をしています。
その日のページにいまいちピンと来ず、ページをめくって次の原則に行きたくなったりするときもあるのですが、そこはじっと我慢。今日の原則をじっと味わうようにしています。目次もないので、本当に毎回のお楽しみです。
いくつもの、アイタタタタと思うようなページを経て、今は57日目。
このペースで読み終わってからこのブログに書こうとすると1年後になってしまいそうで、それまで皆さんにお知らせするのが遅れてしまうのはあまりにもったいない。ということで途中ですが、今回書くことにしました。
どんな内容があるかというと、例えば、この本のタイトルに関連するところではこんなもの。
47日:与えることで傷ついたときは、何かをもらうために与えていたのだ
私たちはよく、人生最高の期間を夫や妻のためにささげてしまった、という態度をとりがちです。自分が相手に与えたのにそれを認めてもらえず、傷ついた、拒絶されたと感じて、人生を無駄にしてしまったような気分になるのです。
しかし、与えているのに傷つくとしたら、それは何かを相手からもらおう、うばおうとして与えていたのです。つまり、相手があなたの望みどおりのかたちで何かを返してくれること、という契約を勝手にあなたが結んでいたのです。
あなたが自由に与えるなら、押しやられることはありません。何も手に入れようとせず、何も必要としていないときは、拒絶されることはないからです。ただ純粋な愛情から与えていれば、傷つくという反応は起こりえないのです。
与えることで満ち足りているときは、自分も十分に受けとることができます。そのときは相手からどんな反応が返ってきても、まったく問題にはなりません。なぜなら、与えることそのものがすでに十分な報いだからです。(78頁)
この後、ワークが続きます。
他にも
7日:パートナーはあなたの望みをかなえるためにいるわけではない
8日:パートナーをコントロールすればするほど、つまらない人になっていく
12日:すべての防衛のかげには、古い痛みが隠れている
13日:何かをコントロールしようとするのは、うまくいきすぎるのがこわいから
21日:創造性は、あなたのすべての欲求を満たしてくれる
23日:許せなかった両親の行動を、今度はあなたがするようになる
25日:疲れきっているのは、「役割」を演じているから
28日:豊かさとは、よろこんで受けとろうとする気持ち
39日:あなたが抑圧したことは、あなたの子供にあらわれる
51日:人に期待しているものは、あなたが自分に与えていないもの
人によって、あるいは同じ人でも状況によって、刺さる言葉はいつも違うので、他の方はまったく違う原則を印象深いものとしてピックアップされると思います。
2,376円とお安くはないですが、1年使えると思えば1日6.5円。何年でも何十年も読み直すことができて、同じページですら何度となく新しい気づきがあると思いますので、かなりお得な1冊と思います。一家で読めば更にお得!
一家で読めば、というところには単純に費用を人数割する以上の意味合いもあります。
パートナー、家族、職場の人間関係、どういうところでも、意識レベルが全体として上がっていく(成長していく)とそのシステムの変容ははやいように感じます。一定程度基礎的なリテラシーを共有して、リアルな人間関係の中で、「今の私はこんな状態」「この本に書いてあるここがどうしても苦手」「あ、確か、こういうときにはこんな原則があったよね」そんなことをお互いが正直に話せるようになると、個々人のストレスも、思いのすれ違いも減り、とても豊かで効率的で生産性の高い関係性になるのではないかと思っています。
そのような関係性が、最小単位システムの家族はもちろん、学校に、オフィスに、日本中に、世界中に広まればいいな、というような思いでこのブログも書いています。
怖れからではない、真実の関係性で私たちがつながっていけますように。
この記事は、こんな人が書いています。
お気に召す記事がありましたら、ぜひシェア頂ければ嬉しいです。また、もしこのブログを読んで、ここで紹介されている本を購入しようと思われた際は、ここみち書店(神保町PASSAGEbis!内)、もしくは、このブログ内のamazonへのリンクを経由して購入頂けると幸いです。私にとって皆様が本に出会うことのお役に立ったことを知る機会となり、励みになります。
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