ここみち読書録

プロコーチ・けいこの、心の向くまま・導かれるまま出会った本の読書録。

世界トップエリートのコミュ力の基本

お友達でもあるムーギーの最新刊です。

世界トップエリートのコミュ力の基本 ビジネスコミュニケーション能力を劇的に高める33の絶対ルール」(ムーギー・キム著、PHP出版、2020年3月初版)

帯がすごいです。よくこのメンバーからコメント集めてきましたね。

  • 「彼ほどの聞き手はいない」 by ジム・ロジャーズ氏(世界3大投資家)
  •  「ムーギー・キム氏は、ファーストクラスのコミュニケーション力、インタビュー力の持ち主だ」 by チャン・キム氏(INSEAD教授、ブルー・オーシャン戦略
  •  「ムーギー・キム氏ほどのプレゼンの達人はいない。その彼が、発信力・受信力を高める秘伝の書を記した」 by 竹中平蔵氏(慶應義塾大学名誉教授)
  • 「この本を読まないと損をすることになる」 by 中野信子氏(脳科学者)

 

世界トップエリートのコミュ力の基本 ビジネスコミュニケーション能力を劇的に高める33の絶対ルール

 

本書をおすすめする人

第1章から第3章は、

本を書きたい方、

読まれるブログを書きたい方、

プレゼンが上手になりたい方、

商談中の雑談、立食パーティなどでのちょっとした会話が上手になりたい方、

などに特におすすめです。

(次に立食パーティーができるのはいつかわからないですけど・・・。)

 

インタビュー力を磨きたい方は、第4章(質問力)を。

個人的には、貴重な電波を使って放送している大手メディアの方々には、ここ、本当に読んで頂きたいです。

インタビューや記者会見の質問などを聞いていると、「え、今、この人にそれを聞く?」とガクッとする時があります。イラッときてしまうこともあります。

他にも、日頃のビジネス上のお取引先との打ち合わせなどでも、役に立つと思います。

 

そして、第5章の「確かな情報を手に入れるインテリジェンス戦略」は、

とりわけ今のような、玉石混交、有象無象の情報が飛び交う中で、

全人類が身につけるべきメディアリテラシー、情報を読み解く力だと思います。

 

読まれる文章の書き方

最近、私自身がブログをよく書いていることもあり、私は、とりわけ第1章(文章の絶対ルール)が勉強になりました。

本書によりますと、ムーギーは、これまで6ヶ国語で計60万部以上の書籍を出版、前著「最強の働き方」は翔泳社ビジネス大賞受賞、お母様ミセス・パンプキンとの共著「一流の育て方」は韓国・中国・タイでもベストセラー、加えてオンラインコラムのページビュー(PV)は数百万超、累計は1億PVを突破とのこと。

こんなにすごいとは知りませんでした。

私のブログは、先月、月間PV(ページビュー)がようやくほぼ5000となって喜んでいたところですが、もう、ゾウとアリくらい違います。

 

一番刺さったのは、こちらです。

【絶対ルール5】「需要が高い文章」の3大ポイントは、時事性・自分ごと・共感

 

この絶対ルールを一言でまとめると、

「広く読まれる文章を書くには、伝えたい内容を時事性や誰にでも当てはまる身近な事柄に絡め、安心感と目新しさのバランスに配慮することが重要。」(p.52)

 

「多くの人は教訓よりも共感を求めている」(p.52)

なるほど。

 

「誰でも知っている当たり前のことを8割くらい」で共感を得て、「新しい内容は2割くらい」(p.51)

これは、私には全く新しい視点。 

 

結局人は読みたいものしか読まない。欲しい情報しか入手しない。

ちょっと悲しさも感じますけれども、自分についてもそれは言えること。

 

それを批判していても始まりません。

有益なことを書いていても、読まれなければ、届かない。

届けたいところにどう届けるか、を考えていく必要があります。

 

「届けたいところ」がどこなのか、というのも、意識すべきポイントの一つと思います。

著者は、日頃そんなには本を読まない方々も含めて、広く届けることを意図しているのだろうと思います。

 

コミュニケーション力の本質は、スキルではなく人間力

そういう風に読んでみると、実は、この本、著者が実は一番伝えたいことは第5章(確かな情報を手に入れるインテリジェンス戦略)なんじゃないか、なんて思ったりもします。

コミュニケーションスキルを伝授する本と見せかけて、第5章で伝えているのは、人間としての在り方を問うものです。

「人は自分自身も含めて、「矛盾や間違いだらけ」だと認めること」が重要(p.230)

「自分自身が所属する集団の中にいたらどうしても避けられない、自分自身の厄介な偏見」(内集団バイアス)に向き合おう(p.236)

 

さらには、彼の、市民に対する、自分で考えて自分で行動できるようになろうという願いをも表現されているように感じます。

「各国が報じる情報はしょせん一面的で、プロバガンダやレッテルだらけ」(p.207)、

「公正中立なメディアなど(中略)存在しない」(p.215)、

「情弱(情報弱者)な信者」を、食い物にする」、「反対意見に対して感情的な罵詈雑言を浴びせる」著名人には要注意(p.218)、

 

情報には質がある

その昔、人が入手できる情報には大きな格差がありました。

その情報を使って人々をコントロールした為政者もいたでしょうし、情報の非対称性を使って稼ぐ人もいました。

 

現代も、もちろんそれらも根深くありますけれども、それでも、以前と比べたら普通の市民でも相当の情報を手にすることができます。少しお金を払うと、さらに奥深い情報を得ることもできます。

 

その一方で、誰でも発信できる時代にもなりました。

この私ですら、このブログを書いたり、YouTubeやPodcastを配信してみたりすることができてしまいます。

 

だからこそ、自分がどんな情報を入手するのか、

そして、どんな情報を発信するのか、

ということにとても意識的である必要があると思います。

 

本を出版するとき、樹木、紙、それを運搬するための輸送燃料など、沢山の資源を使っています。

ウェブに書くときにも、通信インフラ、サーバー、それを支える電力インフラを使っています。

私たちはこれらのエネルギーを有効に使うこともできるし、無駄にすることもできます。

 

そして、それを読んでくださる方々の時間を使っています。

書かれた文章、発信されたものは、誰かの思考や行動に影響します。

私たちは、誰かの時間やネット上のスペースを、豊かなものとすることもできるし、汚すことも、ゴミを散らかすこともできてしまいます。

 

 人様に読んでもらい、聞いてもらうに値する、信頼できる確かな情報をインプット(受信)する。

 そしてメディア情報のバイアスを読み解き、一次情報に基づき正直に発信できている人だというレピュテーション(評判)を得ることこそ、アウトプット能力を強化するための基本ではなかろうか。(p.251)

 

 とても共感します。

 

本書は、著者独特の文体で、 笑いながらページが進んでしまいますが、立ち止まって読むと、実はけっこう深いことが詰まっています。

なので、実は、読んだだけで、すぐにできるようになるものでもないです。

それができたら苦労しないよ!と思うものもあります。

おそらく、誰も最初からこれらをできません。

著者も、色々な失敗をして恥をかきまくりながら、怒られまくりながら、腕を磨き、余計なプライドを捨てるなどして身につけてきたエッセンスです。

本書でわかるのは、目指すところ。

目指すところがわかったら、あとはひたすら実践して、失敗から学ぶのみ。

その過程では、コーチングでコーチにサポートしてもらうこともとても効率的と思います。

 

ミセス・バナナ、ベビー・マンドゥと新しい家族を迎えられ、ますますの活躍を楽しみにしています。

 

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