なんとも愛らしくて楽しい本!
友人がSNSでシェアしていて、これは面白そう!と思って読みました。
「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」(福井県立図書館 著、2021年10月初版、講談社)
文庫本も出ています。
福井県立図書館の司書の方々が、お目当ての本を探している図書館利用者から照会されたけれども、タイトルや著者名がビミョーに違う、、、という「覚え違い」のタイトルを90集めた本です。
ページをめくれば思わず笑ってしまう覚え違いがたくさん。
添えられているイラストも相まって、愛らしい本になっています。
さらに、覚え違いへの解説がとてもやさしく、あたたかい気持ちにもなります。
私のお気に入りは、このあたり。
12 『ゴリラ爺さん』ありますか?
ん、、、何か、違う。絶対違う。でも私も正しいタイトル、私も言えない!と思った本。正しくは『ゴリオ爺さん』(バルザック 著)。バルザックの代表作だそうですが、このタイトルではなかなか手が伸びない。。。いっそ『ゴリラ爺さん』の方が引きがあるかもしれない。解説によると19世紀のパリ社交界の話だそうで、そう聞いたら読んでみたくなりました。
41 『人生が片付くときめきの魔法』を探しています。
惜しい。でも、確かに、こんまりさんの片づけの魔法にかかれば人生も片づくから、間違ってないとも思います。(正しくは、『人生がときめく片づけの魔法』(近藤麻理恵 著))
49 ねじ曲がったクロマニョンみたいな名前の村上春樹の本 ありますか?
なんとなくあの本だということは、伝わる!(正しくは、『ねじまき鳥クロニクル』(村上春樹 著))
71 『ぶるる』みたいな旅行ガイドの本 はどこにある?
こうやって問い合わせされたら、絶対笑ってしまいそう。(正しくは、『るるぶ』)
72 昔からあるハムスターみたいな本 探してるんだけど?
私なら、「とっとこハム太郎」しか出てこない。正しかったのは、「ハムレット」なんだとか。探し当てた司書さん、すごいです。ハムとオムレツ、みたいな覚え違いもあるかもしれない?と想像力が膨らみます。
ちなみに本書タイトルの、本来の絵本のタイトルは『100万回生きたねこ』です。
私はどんどんページをめくってしまったんですが、問い合わせを読んでから、どの本を探しているのかを当てる、という読み方も楽しそうです。
軽い興味本位で読み始めた本ですが、「はじめに」の部分から出版した真意がわかって、ますます好感を持ちました。
図書館は本を貸し借りするだけの場所ではありません。大きな役割のひとつに「レファレンス」があります。簡単に言えば、利用者が探している”情報”にたどりつけるように司書がお手伝いすることを指します。(中略)
今から15年以上前のあるとき、当時の館長から「レファレンスサービスをもっとアピールするにはどうしたらいいか」という課題が提示されました。(中略)その頃、福井県立図書館のホームページではもっと複雑なレファレンス事例集を公開していましたが、なかなかページビューにはつながっていませんでした。
読んでおもしろいものじゃなければ、誰もアクセスしてくれないのがウェブコンテンツです。でも図書館が発信できるおもしろいコンテンツってなんだろう。(p.4-5、はじめに)
そして、思いついたのが、図書館の職員が以前から記録していた「どんな相談があって、どう対応したか」を集めたエクセルファイル。
真面目な目的で記録していたファイルですが、実は職員の間では、共感してなごめるものになっていました。あらためて読むと、このおもしろさは、きっと司書でなくても共通のはず。それどころか、私たちだけで独占していたらもったいない!(中略)
読んで笑ってもらって、そして図書館をもっと身近に感じていただけたら嬉しいです。(p.6-7、はじめに)
なお、福井県立図書館では、覚え違いタイトル集は、オンラインでも公開していて、今も更新され続けています。
ちょっと覗いてみるだけでも、クスッとなって楽しい気持ちになります。
www.library-archives.pref.fukui.lg.jp
早速、『ホラ吹きのゴーシュ』を見つけて吹き出しました😆。(正しくは『セロ弾きのゴーシュ』)
私自身、幼少期は図書館に育てられたと言っても過言でないです。
毎週、母が図書館に連れて行ってくれて、絵本やら紙芝居やら、いろいろ借りてきました。
今でもよく利用しますし、旅先でもその土地の図書館を訪れます。
素敵な図書館に出会うと、税金はこういうふうに使ってほしい、とよく思います。
全国各地、誰もが行きやすい、行きたくなる、過ごしたくなる、そんな場所であり続けてほしいなと思います。
福井県立図書館も、ぜひ行ってみたい!
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