ここみち読書録

プロコーチ・けいこの、心の向くまま・導かれるまま出会った本の読書録。

佐久間宣行のずるい仕事術 -僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた

まんまとマーケティングの術中にはまっているとわかりながらも、最近、佐久間宣行さんのお名前や本書のタイトルをいろんなところでよく見かけるので、買ってしまいました。こういうところもずるい。笑。

佐久間宣行のずるい仕事術――僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた」(佐久間宣行氏 著、2022年4月初版、ダイヤモンド社)

 

佐久間宣行のずるい仕事術――僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた

 

著者は、元テレ東の著名プロデューサー、現在は独立して仕事されている方。
副題にある通り、会社の中でもやりたいことをやってきた、その処世術を紐解く本。
大いに共感したり、あるいは、私はここが下手だなぁと反省したりしながら読みました。


私自身の備忘録は後に回すとして、
今回、この本がものすごく売れている現象を見て、
今、日本の会社ではどういうことが起きているんだろう?ということに興味が湧きました。


一つには、力で強く押し通す代わりに上手に波に乗ったり交わしたり、引っ張ったりする代わりにちゃんと見ているというメッセージを送って人を巻き込むなど、
やわらかくしなやかな仕事術やリーダーシップが、時代に求められるようになっているのだろうなぁということ。


そしてもう一つ興味を引いたのが、Amazonのレビューのコメント。
もともとの佐久間さんのファンの方々が書いているものも多数ある様子ですが、それを差し引いても、とても救われたとか、楽になったとか、また頑張れそうだとか、そんな声が多い感じがします。

それほどに、日本のビジネスパーソンの皆さんは、消耗するようなしんどい状況にいらっしゃるのか? 

そんなに自分を擦り減らしたり、自分を抑制したりしなくてはならない状況なのだろうか?

ちょっと心配になりました。

 

コーチングのセッションや、CTIジャパンでコーチングのコースリードをしているとき、よく、

「皆さん一人ひとりは、会社よりも大きい存在なんですよ」という話をします。

そうすると、はっとする方や、キョトンとする方がいらっしゃいます。

 

私たちは、会社という箱の中で生きているわけではありません。

まず私たち一人ひとりの人生があって、個々人の思いや願いを実現するために、創り出したいことを仲間とやっていくために、その舞台として会社があります。

この主従を逆に捉えている人が、思いのほか多いことに、驚かされます。

もちろん、組織というのはいろんな人が一緒に働く場所ですから、全部が自分の思う通りにはなりませんが、誰かの手足となるためにそこにいるわけではなく、役割に関係なく、同じ思いを持った対等な人たちが、時には侃侃諤諤しながらも、協働していく場所です。


この本を読む方々が、「どう会社でうまくやるか」ということだけではなく、会社と自分との関係性にも意識的になるといいなと思いました。

 

2年間、毎週配信してきたポッドキャスト「独立後のリアル」もそんな思い出やっているんだな、と改めて思いました。

よかったら、私たちの音声も役立ててください。

会社をクビになっても死ぬわけじゃないよ、会社の外にはこんな世界があるよと知るだけでも、きっと、仕事に向かうときの気が楽になります。

 

🎙ポッドキャスト・独立後のリアル

本書が響く方には、例えば、この回などがオススメです。

#52 「辞める」選択肢が会社との関係を面白くする

Noが言えない関係は辛いのです。辞めるつもりがあることが、独立だけでなく組織でもイキイキしているコツです(断言) 

open.spotify.com

anchor.fm

 

こんな思いを込めながらやっています。

note.com

 

以下は、本書から、私自身のための備忘録:

  • 相談のゴールは「解決」にする。仕事の悩み相談とは、「動いてもらうためのきっかけづくり」。「なぜあなたに相談するのか」を伝える。「あなた」に相談することに意味があるとわかってもらう。(p.30-31)
  • 「すぐやる人」が結局残る(p.33)
  • 会議は「事前準備」で勝て(p.8)
  • 仮説を立てて実行し、実行したら検証する(p.42)「悪い失敗」は、仮説がない挑戦の結果、もたらされたもの。「いい失敗」は、仮説を踏まえた挑戦の先にあるもの。(p.177)
  • 仕事はあえて、社内「初」を狙う(p.45)
  • ブランド人とは、「信用と期待を持たれている人」(p.53)
  • 「メンツ地雷」を踏んではいけない。人は、メンツを潰されたときに他人を攻撃する。人はメンツで動いている。新規プロジェクトが歓迎されづらいのは、それでメンツが潰れる人がいるから。だから先人への敬意は、とくにしっかり表す。「メンツを潰さない」は自己防衛策の第一弾。次は、「メンツを立てる」。大切なのは相手に勝つことではなく、障壁なく仕事ができる環境を手に入れること。(p.60-63)
  • コミュニケーションは「最短距離」より「平らな道」。正論をまっすぐ吐くと、たいていは嫌われる。自分を捨てきれない状態で「俺」を打ち出して戦うとロクなことがない。(p.64−67)
  • 仕事は全部、縁から始まる(p.34)。仕事は、縁でできている(p.70)。
  • 「コント:嫌いな人」でバトルを避ける。相手とのやりとりを不毛なバトルに発展させないためのテクニック。その人と対面した瞬間、心の中で唱える。「コント:嫌いな人」「コント:性格の悪い人」「コント:自己中クライアント」「コント:メンツおじさん」コールを入れると、自分と相手を客観的に眺められるし、「相変わらず理不尽!後でどうやってネタにしよう」と面白がることもできる。「なんでも面白がろうとする性質」。自分の置かれている状況を俯瞰してみるクセをつけると、カッとしたり傷ついたりと、感情が乱れる回数は減っていく。(p.71-72)
  • チーム編成は、自分ができないことができる人と組む。どんな人が売れるのか。「俺、こんなもんじゃねえぞという顔をしている人」。自分の器と今の立場が合っていなくて、イライラしている。鬱屈した思いを抱いている。才能は発掘したら終わりではない。発掘したからには、チーム全員でどうしたらもっと活躍してもらえるか、もっと面白くなってもらえるか考える。チームはこうやって、互いに協力し、成長しながら絆を深めるもの。(p.107-110)
  • プロジェクトのコンセプトや企画の核をつくるときは感覚が近い人と組み、実行するときは自分と真逆のタイプを入れる。(p.111)
  • 「身内」にこそ気を遣う。メンバーに「自分は大事にされている」と感じさせるのも、リーダーの大事な仕事。どんなに忙しくても、余裕がなくても、決して「ないがしろにされた」と思わせてはいけない。「大事にされている」と感じてもらうためには、「あなたがいてくれてよかった」と伝えることが大事。それを怠ると、メンバーは勝手に「お前なんかいてもいなくても構わない」というメッセージを受け取ってしまう。そしてやる気を失う。人は、「自分がいなきゃ」という存在価値を感じてこそパワーを出すのだから。(p.124-126)
  • リーダーは「発言したら採用される」空気感をつくる。未熟なアイディアも「切り口」として採用して、議論を燃やす薪にする。たとえ芯を食っていない意見でも、「いまいちだな」と一蹴すると、以降その人はなかなか自分の意見を出さなくなる。(p.127-129)
  • 企画書は「出すもの」ではなく「通すもの」。自分の「言いたいこと」よりも、企画書の読者の「知り合いこと」を優先して入れ込む(p.148−151)
  • 企画に必要なのは、マーケティングではなく、「自分の感覚」。それをどう伝えるかは難しい。(p.159)
  • 日頃から「おもしろい」の因数分解ができると、企画の伝え方が変わってくる。(p.162-164)
  • インプットし続ける。インプットはアウトプットの源。企画は引き出しの数がモノを言う(p.184-185)
  • 「真剣」にはなっても、「深刻」になってはいけない。(p.194)
  • 嫌なことからは「逃げるが勝ち」(p.196)
  • 「たいしたスキルも経験もないけど別の場所に身を置きたい」というのと、「こんなスキルや経験を持っているから次に駒を進めたい」では、評価がずいぶん違うのだ。(p.203)


勉強させていただきました。ありがとうございます😊

 

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