読書録、時々、映画鑑賞録。
「2018年に買ってよかったもの」というはてなブログの「今週のお題」を見て、思ったのが、この映画を観るという体験。
ボヘミアン・ラプソディ。
映画館で、ケチらずにIMAXで観て大正解。またすぐにでも見たいです。
予備知識ゼロで行きましたが、あっという間に引き込まれ、心を大きく揺さぶられ。
この映画を観てから、頭の中にはずっとQUEENの曲がかかり続けてます。
QUEENに熱狂した世代ではないものの、さすがに名前は知っている。
曲もいくつも知ってる。
見た目が相当なインパクト。
知っていたのはそんな程度で、こんなにすごいバンド、フレディ・マーキュリーがこんなにすごい人だということは、恥ずかしながら全然知りませんでした。
複雑な過去、厳格な家、当時は受け入れられない性的指向、孤独感。
天才的な音楽とパフォーマンスの才能。
居場所のない気持ち、行き場のないエネルギーが歌になり、曲になり。
映画の中で歌詞を知って、ものすごく刺さりましたし、その後活躍した多くのミュージシャンたちが「フレディの歌に救われた」「自分に最も影響を与えたミュージシャン」などと絶賛するのが、やっと理解できました。
終盤、何故だか涙していました。
一体何にそんなに心を動かされたのか。
一言では言えないのですが、おそらく最たるは、フレディの生き様そのものであり、彼のとても「人間らしい」ところ、「人間を生き切っている」ところ、に打たれたと思います。弱い部分も含めて。
ステージで全てのエネルギーを出し切っている様。ありったけの自分を表現し切っている様。
ステージを降りれば、純粋で、まっすぐで、自信家の一方で傷つきやすくて、チャーミングで、愛を欲している、あまりにも人間らしいひとりの人。
そして、自分たちを「家族」と呼ぶバンドのメンバーの関係性がまた素敵でした。
いいものをつくるために妥協せず、それぞれが100%で臨んでいる。
お互いからお互いの限界を超えるものが引き出されていく。
対立しても、喧嘩しても、最後は戻ってくる場所。
最後のLive Aidのシーンでは、このメンバーでこのステージを創っていることを純粋に心から喜んでいるだろう様子が感じられて、それにまた涙してしまいました。
あー、こんな仲間っていいなぁ、と思いました。
こんな感動をくれたのは、フレディの人物像を見事に表現したラミ・マレックによるところがとても大きいです。本当に魅了されました。
もはやラミはどこにもいなくて、もう目の前にフレディが甦ってきたかのよう。
メイキングを観ると、彼の努力と勇気が垣間見えます。
手配された「振付師」ではなく、「ムーブメント・コーチ」を探して指導を受けたというのは、素晴らしい判断だったと思います。
他3人も、ほんと、どうやって見つけてきたの?と思うくらいよく似てる。素晴らしいキャスティング!
【「俳優ラミ・マレックが<クイーン>フレディになるまで】
この映画は、QUEEN世代にはフレディと再会できたような、若い世代にはこの知るべき人物とバンドと出会えたような機会をくれているような気がします。
おかげで、QUEENの昔の映像も、もっと肉厚に、カラフルに、魂が宿って聴こえてきます。
映画のタイトル「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞は、こちらの解説が大変腹落ちしました。
どんな作り話よりも、ひとりの生身の人間の人生こそがドラマ、と感じる作品でした。
また観たい!