ここみち読書録

プロコーチ・けいこの、心の向くまま・導かれるまま出会った本の読書録。

幸せについて

先日、カフェに置いてあった本書の表紙に惹かれて、Amazonで取り寄せたら、表紙が違ったという落ち。。。

表紙は何種類もあるようです。

オンラインで買われる方は、何が届くかお楽しみ。

幸せについて」(谷川俊太郎 著、ナナロク社、 2018年12月初版)

 

幸せについて

 

ちなみに、私の手元の表紙はこれ。

 

そしてカフェで見てきた表紙はこれ。全部で何種類あるんだろう・・・?

 

「俺、いま幸せなんだよね。」から始まる本書。

 

私も、今、とても幸せだなぁと思います。

今この瞬間に意識を持ってくれば、内側からひたひたと満たされる感じがあります。

 

でも、コーチという仕事をしていながら、「幸せ」という言葉は、あまり使いません。あまり好きでもないかもしれない。

幸せを目指すべきとも思わない。

獲得できるものでも到達するところでもないと思うので、「みんなで幸せになろう!」という表現などには、結構な違和感を覚えます。

 

といっても、幸せだなぁと思う瞬間もある。

実際、「幸せ〜!」と叫ぶ時も、「幸せだなぁ」と漏らすこともある。

「幸せ」という言葉の使い方に引っ掛かりがあるのかもしれません。

軽々しく使うのも違うし、かといって、とても重みのあるものとして扱うのも、これもまた違うような気がしています。

逆に、「Happy」という言葉は軽くて好きです。

 

言葉にすることで何か違うものになってしまうような気もします。

 

本書は、そんな、「幸せ」という言葉が苦手なワタシが言葉にしきれないモヤモヤの手掛かりが感じられる読書でした。

 

ときどき思う、

死んでからヒトは、生きていたことが、

生きているだけでどんなに幸せだったか悟るんじゃないかって。(表紙裏)

 

(前略)幸せそのものはひとりひとりのヒトのカラダとココロに湧く感情の一種、それもいわゆる喜怒哀楽の感情の次元を超えた<感動>だから、自分のココロとカラダから湧いてくるのを信じるしかない。(p.7)

 

幸せを忘れている幸せ(p.13)

 

初めに自然に幸せがあった、不幸せはその後の不自然な人間社会から現れた。(p.27)

 

どうすれば、何があれば、幸せになれるかと考えているとき、ヒトはあんまり幸せではない。(p.31)

 

コトバには意味がつきまとうから、不幸せになりやすい、音楽には意味がないから、幸せになりやすい。(p.32)

 

幸せなんてコトバ ほんとは 要らない(p.33)

 

幸せには退屈という一面がある。これは必ずしも歓びと矛盾しない。(p.68)

 

幸せというコトバが、いたるところで一人歩きしているのを見るのは幸せじゃない、不幸せに負けそうな幸せが無理して頑張っている、ような気がするから。(p.73)

 

不幸ではないから幸せという受動態の幸せがある、何もないところから、何もないのでなぜか幸せという能動態の幸せがある。(p.86)

 

「ココロはひそかに思っている

 コトバにできないグチャグチャに

 コトバが追いつけないハチャメチャに

 ほんとのおれがかくれてる」

(80代になって書いた詩、"真偽、善悪、美醜、賢愚などの反対語の両極のあいだ、その矛盾と曖昧さにこそ現実はあるということが、腑に落ちてきたのです” p.91)

 

幸という漢字は手にはめる手枷の形からきていて、たまたま手枷を外されるという思いがけない幸運つまり「僥倖」がもともとの意味だったらしい。天皇が出かけることを行幸と言うのも、それもふだんはないことだったからだろう。幸せが滅多にない珍しいことだったとすると、気軽に<幸せはささやかがいい>なんて言ってるのは、昔と違って今は「幸」がインフレーションを起こしているからかもしれない。(p.99)

 

つまり、過去が気にならない、未来も気にならないで、「いま・ここ」に在る。

これが、ぼくが考える幸せの基本形です。(p.103)

 

最後の言葉は、とても共感しました。

 

「幸せ」という言葉が苦手というのは、ポッドキャストの相方との共通点です。

そんなふたりが話すポッドキャスト「独立後のリアル」。人生本気で変えたい人のコーチをしてきた2人が、これからの時代を賢く生きるヒントを愉快に無責任に話しています。毎週金曜に配信を続けて3年になりました。

「幸せ」よりは「面白く生きたい」という価値観に共感いただける方は、ぜひ音声もお楽しみください。

 

エピソード#132 「幸せ」という言葉が苦手です。番組トリセツと自己紹介 リスナーさんも増えてきたのでスペシャル!

 

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幸せについて

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