読書録、ときどき、映画鑑賞録。
行かなきゃ行かなきゃと思いつつ、5月1日の公開からもう2ヶ月。
東京ではTOHO系での上映が終わってしまい、こんな人気の映画でもこのサイクルの短さか...と驚きつつ、新宿のKino Cinemaで見てきました。
「プラダを着た悪魔2」(原題:The Devil Wears Prada 2)
すでにDisney +で見れるようですけれども、やっぱりスクリーンがおすすめ。
さらに、20年前の「1」を復習してから行くのがおすすめです。
すぐにでもまた見たい映画
鑑賞後の感想は、胸が膨らむような満足感。
エンドロールを見ながら、すぐにもう一度見たい!と思っていました。
ストーリーの面白さ、展開するテンポ、華やかなファッション、NYとミラノの街並みや美しく活気のあるオフィス、ばっちりハマったキャスティング、そして彼ら・彼女たちの演技。
テーマ曲がかかれば自分も一緒に背筋を伸ばして闊歩したくなるような、刺激的で心をくすぐられる作品でした。
この20年間に起きてきたビジネスシーンの変化、たとえばメディアのあり方やコンプライアンスなども現実の世界どおり反映されているのもいいなと思いました。
登場人物たちも、それぞれに変わらない個性がありつつ、20年の経験を経てきたことが伺える姿には何の違和感もなく、とても自然に映画に入り込めました。
派手な演出に頼ることもない。無理な展開もない。暴力もない。
なのにこんなに心が動く。
暴力シーンが苦手な私は、こういう作品は本当にありがたいです。
仕事を好きと言っていい
何がそんなに自分に響いたのかな、と思った時に、浮かんだ一つの言葉は「プロフェッショナリズム」でした。
スクリーンの中の主人公たちが、それぞれの美学や信念に妥協しない姿はもちろん、
本作の映画としての完成度の高さの裏にあるであろう、すべての関係者たちのプロの仕事も感じます。
ミランダが最後に言う言葉「I just love my job.」は、ミランダの言葉でもあると同時に、演じていたメリル・ストリープ自身の言葉でもあるように感じました。
今でこそ、私も「仕事が好き」と堂々と言えていますが、20〜30代の頃はなかなかそうは言えませんでした。
今の天職に出会っていなかったからでもありますが、それだけが理由でもありません。
「仕事が好き」と公言する=プライベートを捨てている、というふうに周囲から見られるのではないかと思っていましたし、自分自身でもそう思ってしまっていたところがあります。
「仕事が好き」。それは幸せなことだし、そう言っていいんだ、と背中を押してもらえたような気持ちになりました。
鋭さと寛容さのあいだで
本作を見ていて感じたプロフェッショナリズムは、目指すものを貫く姿でした。
そのためには、何かに対してNOということも必要で、「それもいいね」「これくらいでいいね」では、到達できない世界があります。
心理的安全性や受容性が大切にされるようになってきた昨今だからこそ、そして私自身もそうあらねばと自分に課すことも増えてきた中で、
自分が信じるものをここまで徹底して追求する人たちを描いている本作に刺激を受けたのかもしれません。
あそこまでクールになれるなんてすごい、と。
では、雑誌RUNWAYという世界で美と完璧さを追求するミランダが、人としても完璧かと言えば、全くそんなことはなく。
本作では、アンディが成長して対等な存在になってきたことにより、ミランダが誰も口を出せない人ではなくなり、彼女の強烈さも、完璧の象徴ではなく一つの個性として描かれているようにも感じました。
自分の中の強さや鋭さを殺さない。
それが願いを叶えたり、いい仕事をしていく時の源泉でもあるのだから。
だからといって、誰かを傷つけたいわけでもない。愛ある関係性を欲してもいる。
この両方をいい塩梅で扱っていけたらいいけど、それはそう簡単ではなく。
その間で揺れ動き、どちらかに振れては何かをやらかし、また片方に振れては悶々とし、
そんなふうに私たちはなってしまうし、でもそんな不完全な者同士でやっていくしかない。
不完全さも不器用さも許容する。自分にも相手にも。
悩んだりもがいたりすることを肯定してもらったようにも感じます。
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