時々、合宿などで伺う熱海の「ご縁の杜」にたくさん置いてあって、目に止まっていた本。
友人が「よかった」と言っていたので、読んでみました。
「今日、誰のために生きる?----アフリカの小さな村が教えてくれた幸せがずっと続く30の物語」(ひすいこたろう x SHOGEN 著、廣済堂出版、2023年11月初版)
著者の一人SHOGENさんが、タンザニアの画法「ティンガティンガ」を学ぶために退職してアフリカに渡り、小さな村で修行している中で村人たちから学んだことをまとめたものです。
本の中では200人のブンジュ村、というところのようですが、地図だとブンジュ地区はもっと大きく、人口も6万人くらいのようなので、この地区の中、あるいはその近辺の小さな集落のことなのかもしれません。
タイトルを見るからに、「どうせ自分のためって言うんでしょう?」というひねくれた私の視点を、大いに裏切ってくれました。
たしかに「自分のため」ではあるのですが、それ以上に大事なことが書いてありました。
というか、大事なことしか書いてない。
自己啓発本は嫌いという方も、一読の価値があるかもしれません。
というのも、書かれているのは「ノウハウ」ではなく、「どうあるか」ということだからです。
効率や成果を急いで「今どうあるか」という観点がなかったSHOGENさんが、村長や村人たちから教えてもらうプロセスを通じて、私たちも、この村の知恵を学ぶことができます。
単に「幸せに生きたい」という人だけではなく、どうやってチャンスを掴むか、どうやって人に応援してもらうか、という点でも大切なことが書かれていて、事業をやっていく上でも役立つことがあると思います。
また、「事業は順調で売上も利益も上がっているけれど、これって一体何のためだったっけ?」という状況にある人も、我に返る手がかりを得られるだろうと思います。
好きな箇所はたくさんありましたが、そのうちのいくつかをご紹介。
「あたたかい境界線だよ。」
(中略)
「人間は、自然から生まれてきた。
だから、圧倒的な自然に包まれた時に、すべてのことをゆるせるんだ。
ケンカの火種は解決していないけど、海で向かい合っているオレたちには命がある。
生きていられるんだから、もう終わりにしよう。」(p.34-35、男の子との「世界一美しい仲直り)
「ショーゲンの言葉には、体温が乗っかっていないから、私には伝わらない」
(中略)
「言葉はね、相手をハグするように言うのよ。」(p.41、3歳のザイちゃんの言葉)
「人の背中を一番押してくれるのは『信じてる』って言葉だよ。
だからショーゲンも、背中を押してあげたい人がいたら、
『信じてる』って言葉をかけてあげてね」(p.57、ダマス村長の言葉)
「失敗しても誰も責めないわよ。だから子どもの前で、失敗を隠すのはやめてね。失敗する大人を見るから、子どもは安心して未来が描けるんじゃない?」
(p.60、ママ・ジャネッティの言葉)
「この村の大人は、『人間らしいね、かわいいね』って言ってあげるんだ。
生きていく上で一番大切なのは、人間らしさ。
歳を重ねれば重ねるほど、完璧になっていくんじゃないんだよ。
人は、歳を重ねれば重ねるほど、人間らしくなっていくんだ」(p.62、失敗について、村長の言葉)
「ショーゲン、歓喜する人間になると、決めてほしい。
人間らしく生きていく覚悟を決めてほしい。」(p.93、「そこに喜びはあるの?」と問うた村長の続きの言葉)
本の後半は、作家のひすいこたろうさんによる解説です。
日本古来の考え方や、イギリスのシューマッハー・カレッジの、サティシュ・クマールさん、岡本太郎さんの言葉などを引用しながら、SHOGENさんの体験と紐づけています。
不完全なものを愛することこそを、「愛」と言うのです。(p.181)
「ゆるせない、嫌な相手」をゆるすって話じゃないんです。「嫌な相手をゆるせない自分」を、「人間らしいね」「かわいいね」ってゆるすんです。(p.181)
人は長所で尊敬され、短所で愛されるのです。(p.184)
「人間の役割の中でも、ほかの生き物と比べてもっとも特徴的で人間的なのは、
『愛すること』(ラブ)と『祝福すること』(セレブレーション)なんだよ」(p.193、サティシュ・クマールさんの言葉の引用)
人間の役割とは、つまりは愛することと、感動を表現することなんです。(p.193)
本の中のSHOGENさんの挿絵からは、まさに、人間味と喜びが伝わってきて、なんだか心があたたまります。
生き生きとした絵は、ご自身のウェブサイトでも、少し雰囲気がわかると思います。
実際の絵も見に行ってみたくなります。
さぁ、今日、誰のために生きますか?
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