最近、今まで着ていた服が似合わなくなってきたなぁ、、、と思っていたところに、母から回って来た本。
お正月休みに読みました。
「服を買うなら、捨てなさい」(地曳いく子 氏 著、宝島社、2015年3月初版)
40代、50代の女性に一番刺さる感じではないかなーと思います。
30代の方は、あらかじめ読んでおくと将来の備えになるかもしれません。
MORE、SPUR、eclat、Oggi、FRaUなどの女性ファッション誌で長年スタイリストをされて来た方の本。
タイトルから、断捨離的なのかと思いきや、話はもっと深くて、
ファッションに対する思い込みや、自分なりのスタイルのつくり方、素敵な年齢の重ね方についての本でした。
昨日紹介した「人は話し方が9割」同様、タイトルだけで思い込みを持ってしまって、危うく読まずににスルーするところでした。
日本の女子にかけられた「バリエーションの呪い」(p.18)
日本の女子はファッションで悩みすぎなんです。(p.3)
その最たる例は、「バリエーションの呪い」。
バリエーションの呪いとは、「女子は、毎日違う格好をしなければいけない」という、恐ろしく、根深く、理不尽な思い込みのことです。考えてみてください。男性なら、毎日同じスーツでも誰もなんとも思わないはず。なぜか女子だけが、極力同じ格好をしないように、毎朝、鏡の前で、多大な苦労を強いられているのです。(p.19)
この呪い、見事にかけられていました。
だって、ファッション誌には、1ヶ月コーディネートとか、着回し術!とか、満載ですから。
この呪いの悪影響が本書でいろいろ解説されています。
バリエーションを増やすために、つまり洋服の数を増やすために、
いまいち好きでもない服まで持ち続けるとか、
似合わない服でも買ってしまうとか、
気に入った1点を買うよりも、安い服で何点も買うようになるとか、
服を買う時に、「好き」よりも「使い回せるかどうか」で選んでしまうとか。
わかる、わかる。
おしゃれとは、決して「毎日違う服を着る」ということではありません。(p.40)
文字にしてみると、確かにおっしゃる通り。
でも、いつの間にか、バリエーションを増やすことが目的になっていたかもしれません。
恐るべし、手段の目的化。
じゃあ、おしゃれな人ってどんな人?
要するに、「おしゃれな人」とは「ダサいものを着ない人」のことです。(p.26)
だから
自分の今の生活スタイルを見極めながら、本当に気に入っている素敵な服だけを残した、少数精鋭主義のワードローブ。それが、おしゃれな人になるためのカギです。(p.27)
人生、お金も時間も限られています。
どうせなら、どちらも有意義に、自分が心地よく輝くために使いませんか?
いくら雑誌が「1ヶ月コーディネート」を提案しても、好きなコーディネートなら週2回は繰り返し着てしまっていいのです。そのほうが、いちばん大好きな格好でいられる日が増えるし、いちばん素敵な自分でいられる日も増えるでしょう?(p.4)
最近、実は私は、かなり同じ服・同じ組み合わせばかり着ているので、この言葉にはとても励まされました。
「若い」ということは「今を生きている」こと(p.167)
著者の方は、執筆時点で50代。
ファッション業界で30年も経験のある方、今も素敵に生きていらっしゃる方、そして、周りにも素敵な女性が沢山いるであろう方からの言葉は、説得力があります。
たとえば、40代、50代の方。若く見せたい思いが強すぎるあまりについやってしまいがちなのが、自分が若かった頃に戻ろうとしてしまうこと。(p.53)
そういうファッションの方、時々見かけて、ちょっと痛々しくなったりすること、あります。
私自身は、若かった頃に戻ろうとしているわけではないのですが、「まだ着れるから」と、以前と変わらぬ服をそのまま着ようとすると、「あれ?似合わなくなってる」と気づいたり、
今までいつも買っていた店に行っても似合わなくなってきて、「あれそろそろこういうのは卒業なのかしら?」と思うことが、最近増えてきました。
これも、そのまま着続けていると、「若く見せようとしている」と見えてしまうのかも。
そうではなく、今の自分を受け入れたうえで、今の自分に合った、今の空気を体現している「今の服」を着続けること。それが、若い気持ちを持ち続けるということであり、「若さ」なのです。(p.53)
「若く見せる」ということは「若かった頃に戻ろうとする」ことではありません。
「若い」ということは、「今」を生きること。
「今」という時代にフィットすること。
そういうあなたを見て、人は「若い」と感じるのです。
若作りすることは、言い換えれば過去ばかりを見つめていて、今の自分を否定していることでもあります。(中略)
私たちも、生きるべきは「今」。リアルタイムな今の自分です。
今、この時代を生きる30代、40代、50代として、時代の空気を自分に合う形でアレンジして取り入れていくのです。
今をちゃんとするから次につながるというのは、ファッションも同じこと。今がなければ、明日はありません。今を素敵に生きている人が、「素敵な50代、60代という次」を迎えることができるのです。(p.167-169)
ですから、今の自分を受け入れて、愛してください。
足りないところを補ったり、長所を伸ばしたりするのはそれからの話です。(p.171)
私の周りには、もう年齢が記号でしかないような、素敵な女性たちが沢山いますが、彼女たちがなぜ素敵なのか、とてもわかりやすく言語化して頂いた気がします。
結局のところ、すべては生き方に通ずる
「服は男と同じ」(p.61)なんていう表現も出てきますが、
読みながら、途中から、これはファッションの話だろうか?いや、人生の話だ、と思いました。
結局のところ、ファッションやモノとどう向き合うのかは、自分がどう生きるかという話でもあります。
買う服をどう選ぶか、捨てる服をどう判断するか、という生活の中の判断基準は、人生の中のほかの話、例えばキャリアとか結婚とか人付き合いとか、大なり小なりそういうところに全部表れているとも言えます。
本書で提唱するのは、「スタイルのある人」になること。(p.144)
結論を言うと、スタイルのある人というのは、自分の好きなものがわかっている人です。
何を着ていたら楽しいか、どんな色を来ていれば心地よいかということは、つねに自分の中に答えがあります。どこか遠くへ自分探しに行くことはありません。
でもそれが、日々の忙しさに流されていたり、周りに惑わされてしまうと、自分でもわかりにくくなってしまいます。(p.156)
「何でもいろいろ着こなさなければ」と欲張っているうちは、自分のスタイルはできません。一見ワンパターンのようでも、自分に似合うものを大切にしている人こそ、誰にも真似できない自分のスタイルを持っている人です。(p.145)
スタイルというのは結局、「自分が好きなもの」「ときめくもの」のことです。
ですから、スタイルとはこうすれば手に入りますと教わるものでもないし、売ってもいないし、無理をして他人と違う個性を演出するものでもありません。いつの間にか、自然に身についているものです。(p.158)
自分が好きなものって、実はなかなかわかっていなかったりするのですよね。
それを見つけていくのが人生の旅でもあるし、コーチングでもそれをお手伝いしています。
ファッションは、それが最もわかりやすく表れるところの一つだなと思います。
ときめく服を着る効用
「ときめく」は「人生がときめく片づけの魔法」で、こんまりさんこと近藤麻理恵さんが使っているのと同じ言葉。
結局のところ、自分がときめく服・ものに囲まれていた方が、自分が機嫌良くいられる。
機嫌がいい人はだいたい皆さん素敵です。
素敵な服を着て、素敵な気分でいる女性の周りは、いつも素敵な雰囲気です。
素敵な気分というのは、周囲にも伝染するもの。
だから素敵な人は、周りの人や空間までもが素敵なのです。(p.172)
美人は、伝染するもの。美しい人と一緒にいると、自然に美の習慣が身について、自分までグッと底上げしてもらえます。
素敵な先輩から、素敵なことを受け継いでいきましょう。(p.155)
私の周りには、本当にこういう方々が多くて、ありがたいことです。
この読書録も、そんな素敵な方々からもらった素敵な雰囲気を、伝染させ循環させる一つの要素になっていたら、それ以上に嬉しいことはありません。
この記事は、こんな人が書いています。
以下は私の備忘。
間違ったおしゃれ感(第2章)
①「なんでも着こなせる=おしゃれ」という罠
②「おしゃれなものを持っている=おしゃれ」という罠
③「流行を取り入れている=おしゃれ」という罠
④「若い人の服=おしゃれ」という罠
捨てるべき服
① 朝、鏡の前で脱ぎ捨てた服
② 実は着ていない服
③ 似合わなくなった服
「サイズがぴったり」=「似合う」ではない (p.54)
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