ここみち読書録

プロコーチ・けいこの、心の向くまま・導かれるまま出会った本の読書録。

コーチング・バイブル 第4版 人の潜在力を引き出す協働的コミュニケーション

 

㊗️ ここみち読書録、100記事目!

 

いつもお読み頂きありがとうございます。

記念すべき100記事目は、やはりこちらの本に捧げます。

 

第3版マンガ版は過去にも紹介しましたが、7月に第4版が出ました。 

今やコーチングはいろいろな流派が存在しますが、その草分け的なCTI(旧 Coaches Training Institute、現 Co-Active Training Institute)が伝えるコーアクティブ®︎・コーチングについて書かれた本です。

既にコーチの方、これからコーチになろうという方には、どのような流派の方であっても、是非読んで頂きたい1冊です。

そして、今回の第4版は、仕事や日常の会話をより本質的なものにしたいと考えていらっしゃる方々にも、今まで以上におすすめします。

コーチング・バイブル(第4版): 人の潜在力を引き出す協働的コミュニケーション 」(東洋経済新報社、2020年7月、ヘンリー・キムジーハウス、キャレン・キムジーハウス、フィル・サンダール、ローラ・ウィットワース著、CTIジャパン訳)

 

コーチング・バイブル(第4版): 人の潜在力を引き出す協働的コミュニケーション (BEST SOLUTION)

 

私がこの本に出会ったのは、2013年。

当時の最新刊は第3版でしたが、遡って第1版、第2版も読みました。

この本に出会っていなかったら、コーチングの道には足を踏み入れなかったと思います。

そして、今でも、何度でも読み返す、まさにバイブル的に頼りにしている本です。

 

変容のための実証されたフレームワーク

第4版の内容を端的に一言で表すなら、原書「Co-Active Coaching Forth Edition」のこの副題に集約されるような気がします。 

The proven framework for transformative conversations at work and in life.

直訳すると、「人生と仕事の双方の場で、変容が起きる会話のための実証されたフレームワーク」(翻訳って難しい・・・。)

  

そうなのです。「コーチングの手法」とは書かれていない。

本書に書かれている「コーアクティブ」というスタイル(モデル)は、もともとはコーチングの一つの形として始まっていますけれども、もはやそれが活用されうる場は、コーチングの領域に止まらない

「コーアクティブ・モデル」をコーチングに使うと「コーアクティブ・コーチング」になるけど、本来、「コーアクティブ ・モデル」で人と人が関わるとき、仕事でも、職場でも、人生のあらゆる場面で、本質的な変化を呼び起こします

実際、私の生き方も、私のリーダーシップ・スタイルも、「コーチング」に出会って変わったのではなく、「コーアクティブ」に出会って変わったのだと思っています。

 

コーアクティブ(Co-Active) というスタイル

「コーアクティブ 」とは、「協働的」という意味を持つ造語です(p.30)。

そして、「コーアクティブな関係」とは、協力的で、助け合い、一緒に創り、能動的かつ積極的に関わる関係(p.4)。 

この関係が「効果的な会話の器」(p.4)となっているから、コーチングが機能します。

そして、この「オープンで本質的な変化をもたらす会話」(p.6)をコーチングの領域だけに留めておくのはあまりにもったいない。

この関わり方には、もっと多くの可能性が秘められています。

われわれのゴールは、すべての人がコーチになることではなく、本来コーチングが持っている、力を与える器としての基本を理解し、活用できるようにすることです。(p.7)

 

本質的な変化(Transformation)

コーアクティブについて私が好きなことをあげれば何時間でも話すことができますが、その一つは、これが「本質的な変化」をもたらすもの、ということです。

 

Incremental Changeではなく、Transformation。

改善ではなく、変容・変態。

表面的な変化ではなく、変化は内側で起こる。マインド・意識が進化する。

一度その成長を体験すると、もう戻らない。リバウンドしない。

 

これを自分自身でも感じるし、一緒に学んだ仲間からも感じるし、クライアントさんたちからも感じます。

以前のクライアントさんのお一人は、これを「改善ではなく革新」という風に表現されました(クライアント様の声)。

 

私自身がどう変わったのか、ということの一つの例は、新しいコーチ仲間の一人が、先日、インタビューにして素晴らしい構成と文章でまとめてくれました。

note.com

 

結局のところ、この感覚は、自分で体験するまでは、どこまで言葉を尽くしてもわからないものかもしれない。

本書を読んだだけでは、ポカンとしてしまうかもしれない。あるいは理想的に過ぎるように聞こえるかもしれない。

でも、体験した後に読むと、きっと腹落ちする。

なので、コーチングへの誘いとして、そして、CTIのコースやコーチング・セッションを体験した後にそれを改めて感じるために、その両方の機会で、本書を役立てて欲しいなと思います。

 

知恵は生き続ける

コーアクティブが日本に届いて、今年で20年です。

本書の著者の一人であり、また、日本のコーアクティブを直接届けにきてくれたフィル・サンダール氏が、今年、逝去されました。

私はフィルに直接会ったことはありませんが、 彼との思い出と溢れる感謝の気持ちを語る先輩方の声を聴くにつれ、彼から直接学んだ人たちが私と接してくれるときの、彼らの眼差しや言葉、関わり方を通じて、私もフィルという人を感じていたのだな、ということを知りました。

先輩方の目の奥に、写真でしか知らない人の眼差しと心を感じる。暖かく、不思議な感覚です。会ったことはないけど、あちらもつながりを感じてくれているような気持ちになります。

何かを学び、体得していくということは、それを築き、磨き、繋いできた人たちの想いやエネルギーを受け取るということでもある。

しっかりと受け取って、そして自分が使える言葉や体を通して、届けていきたいなと思う日々です。

 

この記事の書き手:畑中 景子|コーチを探す|CTIジャパン

 

 

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