あっという間に3月になってしまいました。
ようやくの7冊目はマンガでやさしくわかるコーチング。
コーチングの手法の中でも、CTI (coaches training institute)のコーアクティブ・コーチングについて書かれた本です。
正直に言えば、この手の、すぐわかる系、マンガで説明系はあまり好きではありません。マンガだと何か軽くなってしまうような気がするとか、そんな簡単にわかったような気になってもらっても困るとか、そういう気持ちがあるのかもしれません。コーアクティブ・コーチングに関して言えば「コーチング・バイブル」という優れた本があり、そちらを読むべき、と思っていました。
ただ、自分もこの分野で資格取得を目指すにあたっては、コーアクティブに関するものはなんでも読んでみようと思って手にとってみたところ、これが実にわかりやすく、そして決して軽くない。良い意味で裏切られました。マンガだけだと思っていたら、マンガはあくまで各章の導入の部分だけで、その後にはとても明快な文章でアクティブコーチングのエッセンスを解説しています。コーチングに初めて出会う方はその答えを得られるでしょうし、既にCTIのトレーニングコースを受けた方も、なんとなく体ではわかっている、でも言葉ではうまく説明できない、そんなところを核心で説明してくれていて、理解がいっそう深まるんではないかと思います。また、もしかして誤解して理解していたところは、この本を読んでより正しい理解に置き換えることができるかもしれません。
「コーチング・バイブル」が翻訳本であることに対して、この本は最初から日本語で書かれているということも、この本を分かり易くしている理由の1つかもしれないなとも思います。「コーチング・バイブル」の翻訳は絶妙で素晴らしいと私は思っているのですが、やはり原点を忠実に訳すということでその点は少し不自由さは避けられないと思いますが、この本からは自由な言葉でコーアクティブを語っているというのが感じられます。
コーアクティブを特徴づけるものはいろいろありますが、私としてはいつも「4つの礎」を大事にしたいと思っています。
人はもともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在であるーPeople are naturally creative, resourceful and whole.
自分自身についても相手についてもこのように見ることから、全ては始まります。
今この瞬間から創るーDance in this moment.
次の瞬間には何が起こるか、自分も相手もわからない。だからこそダイナミックで面白い。
本質的な変化を呼び起こすーEvoke transformation.
意識からの根本的な変化。これを体験したらもう元には戻れません。
その人すべてに焦点をあてるーFocus on the whole person.
事柄ではなく、その事柄を語る「人」に焦点。
この本で初めてコーチングに出会う方も、ぜひ本書で止まらずに、CTIの基礎コースに出かけていってみてください。「わかる」と「できる」は違うもの。そして体を通して学んだものは本当に身につきます。コミュニケーションスキルを磨きたいだけ、という人にもおすすめです。とにかく楽しい体験ですから。
コーチング、リーダーシップ、法人向けプログラムを提供|CTIジャパン
より多くの人がコーアクティブというモデルに触れることを願って。
深めたい方はこちらもどうぞ。
コーチング・バイブル―本質的な変化を呼び起こすコミュニケーション (BEST SOLUTION)
- 作者: ヘンリーキムジーハウス,フィルサンダール,キャレンキムジーハウス,Henry Kimsey‐House,Phillip Sandahl,Karen Kimsey‐House,CTIジャパン
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2012/06
- メディア: 単行本
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