映画鑑賞録再び。
昨年秋頃、機内の先行上映で見て、笑いました。共感しましたし、元気ももらいました。
コーチングの観点からも得るものがありました。
日本でも上映始まったら書こうかなと思っていたら、気づけばもう終わっているところもあるくらいだったのですね。サイクル早い。
アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング(原題:I Feel Pretty)
ぽっちゃりしてパッとしない人生を送っている主人公のレネー。
顔も、体型も、仕事も、どれも冴えない。そんな自分ってサイアク。
もっと外見がキレイだったら、人生、どれほど幸せなんだろう、と悶々としています。
そんな彼女が、転倒して気を失って、目覚めたら、スーパーモデル並みの美女になっていた。
そこから人生が好転し始める、というお話。
実際には、スーパーモデル並みの美女になっていたのではなく、自分でそう思い込んでいるだけ。
鏡に映るレネーは、本人には美しくて体の引き締まった美女に見えているのですが、(観客も含め)他人から見た彼女はそれまでと全く変わりません。
なのに。
人生が180度変わっていきます。
なぜって、自分の行動が変わるから。
「自分で自分自身のことをどう見ているのか、どう思っているのか」ということが、自分の言動、ひいては自分の人生にどう影響しているのか、ということをとてもよく知ることになる映画です。
この変化ぶりを、コメディアンのエイミー・シューマーが、とても面白く、でもリアリティを持って演じています。
人生が展開していく様子が嘘っぽくなく、そう、こういうことってあるよね、結局世の中そういうことだよね、と納得します。
そもそもの「全然パッとしない」というのも、自分が自分自身や自分の人生についてそう思い込んでいるだけ。ウエスト何センチ以上だったらモテない、好きな仕事に就けない、なんていう数式は存在しないのだから。
自分を雁字搦めに縛っているのは、結局のところ、自分自身。
そしてまた、外的基準で人を評価判断する生き方の不安定さも、この映画は伝えてくれます。
女性も男性も、成長の過程で、みんな何かしらのコンプレックスは持ってしまうもの。
それに縛られ続けて生きるのか。自分自身を解放するのか。
コンプレックスの原因となっているものを取り去ることに時間と労力をかけすぎるよりも(これにはきっと終わりがないですし)、”完璧”ではない自分も受け入れて、周囲から見た”完璧さ”を求め続けて囚われている自分を解放することの方が、望む結果を得るためには近道かもしれません。
自分に聞いてみましょう。
今、一番コンプレックスに感じていることは何ですか。
そのことについて、「自分を許していないんだな」ということに気づきましょう。
きっと今までに、何度もそのことで自分自身を罰してきたのではないでしょうか。
頑張っても頑張っても結果が現れず、その度に自分を否定してきたのではないでしょうか。
今日は、自分の罰に耐え、頑張り続けてきた自分をいたわってあげましょう。
小さく震えている自分を抱きしめてあげましょう。
癒されたと感じるところまで抱きしめたら、また自分に聞いてみましょう。
その問題で自信が挫けることがなかったなら、本当は、どんなことをしてみたいと思っていたのでしょうか。
今日1日、そのコンプレックスが見えなくなる魔法のメガネをかけてみて。
今のままで、自分には何も欠けているところはない。
そこから更に成長や変化をしていく自分も楽しみです。
そのメガネをかけたまま、今までためらっていた行動を一つ、とってみましょう。
憧れの洋服を着ることでしょうか。
誰かに電話をすることでしょうか。
新しいスポーツをすることでしょうか。
発表会に出ることでしょうか。
うまくいけばしめたもの。
思った通りにいかなくても、それは、ただうまくいかなかっただけのこと。自分という存在が否定されているということではありません。
新しい行動をとった自分を祝福しましょう。今回は、一つの実験が期待どおりではなかっただけのこと。それでも何か、代わりのものを得たり、感じたりしているのではないでしょうか。
この映画を見て、体型などにとらわれずに自分のエネルギーと魅力を最大限に発揮している人として、真っ先に渡辺直美さんが頭に浮かんでいました。吹き替え版では渡辺さんが主人公の声を担当してらっしゃるそうです。インタビュー記事にあった彼女の心の持ちようにも、共感しました。
今のままの自分でもいいし、もちろん、変わったっていい。
大事なのは、他人の定規ではなくて、自分の心に従うこと。
つまりは、怖れからではなく、喜びから行動すること。
自意識が自分の行動を縛りそうになったら、それは全く別物なのだと気づくこと。
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主題歌は、Meghan TrainorのMe too。