ここみち読書録

心の向くまま・導かれるまま出会った本の読書録。

人生がときめく片づけの魔法

雨が多い季節は家にこもって、お部屋の片づけでも。「人生がときめく片づけの魔法

人生がときめく片づけの魔法

著者の片づけコンサルタント・近藤麻理恵(こんまり)さんが、TBSの金スマに登場して大人気となっていた頃、この本のおかげで私の部屋の洋服と本はとてもすっきりしました。ただ、実はそのときは、本の次に来る書類のステップで中断してしまっていました。最近片づけの必要が生じて、いざ改めて、と読んでみると、やっぱりこの本はすごいなと思います。

何がすごいって、単にモノを捨てるとか、上手に収納するとか、きれいに見せるとか、そういう一時的・表面的なものではなく、片づけを通してとても深いレベルの意識に向き合っているのです。私が特に好きなのは、「捨てる」「身軽になる」ということを目的にしているのではなく、「ときめくものに囲まれて過ごす」ということ、つまり「人生をより豊かに生きるため」の片づけであるところ。また、モノには役目があり、その役目を終えたらお別れをするという考え方も、過去を否定することなく「今」を存分に生きていくことこそが人生、ということを改めて感じさせてくれます。

戦後の成長を経てモノの豊かさは十分に享受した今の日本で、この本が受け入れられるのはとても自然なことのように思います。そしてそれは先進国全般に共通していることのようで、2011年に日本で140万部のベストセラーとなった後、2015年にはアメリカ、イタリアなど25カ国で翻訳され、世界で計400万部のベストセラーとなっているそうです。今年のTIMEでは「世界で最も影響力のある100人」(Artist部門)に選ばれるなど、その快挙は日本人として誇らしいですし、日本人のモノを大切にする気持ちが世界にも広まっていけばいいなと思います。心の底から湧き出る強い願いは世界をも動かす、そんな風に感じる出来事でした。

time.com

ちなみに、ここまで読まれて、コーチングに触れたことのある方なら、何か感じるところがあるのではないかと思います。改めて読んでみて、こんまりさんがなさっていることはコーチング、特にコーアクティブ・コーチングにとても近いものだと感じました(こんまりさんがこれを学ばれたのかどうかは知りません)。

どんな部屋に住んで、どんなモノに囲まれて、どんな生活をしたいのかーそれを描き実現していくことは、自分の価値観に沿った人生を生きること。

手元に置くモノ、お別れするモノを選択し判断していくプロセスは、自分がこれから何を大切にして生きるのか、何を手放していくのかを明らかにし、決意していくこと。

ときめかないモノとお別れするプロセスは、そのモノが自分のところに来たときの思い出、ときめかないものですら捨てられないでいる自分、過去への執着と将来への不安に向き合うこと。

まさにフルフィルメント、バランス、プロセス(いずれもコーアクティブ・コーチングで用いる指針。詳しくは「コーチング・バイブル―本質的な変化を呼び起こすコミュニケーション 」参照)そのものだと思いました。これらはいずれも本質的な変化、マインドレベルでの変化に必要なもの。だからこそ、こんまりさんに片づけを習ったクライアントのリピート率はゼロ、つまり「一度片づけたら絶対に元に戻らない」リバウンドなしの片づけになっているのだと思います。

人生を変えたいけど、何をやったらいいのかわからない、とか、いきなり人生の大きな決断なんてリスクが高すぎる、という方、まずは片づけから始めてはいかがでしょうか。

なお、「魔法」という言葉、質問家のマツダミヒロさんも「魔法の質問」という表現を使っていらっしゃいます。マツダさんの質問はコーチングのエッセンスを活用したもの。こんまりさんやマツダさんの本や講演会が大好評な世の中に、よりよく生きたいという多くの人の願いと、コーチングの需要と更なる可能性を感じます。

 

人生がときめく片づけの魔法

人生がときめく片づけの魔法

 
コーチング・バイブル―本質的な変化を呼び起こすコミュニケーション (BEST SOLUTION)

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  • 作者: ヘンリーキムジーハウス,フィルサンダール,キャレンキムジーハウス,Henry Kimsey‐House,Phillip Sandahl,Karen Kimsey‐House,CTIジャパン
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2012/06
  • メディア: 単行本
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こころのエンジンに火をつける 魔法の質問

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